【無料】町田ゼルビア×FC東京:西村雄一レフェリー、ノーサイドにゲームを着地させる
西村雄一のレフェリングを記者席から見るのはいつ以来だろうか。
おそらくコロナ禍で取材が制限される前に遡ると思う。
その間に52歳となった西村だが、この試合の判定の〇×は置いて(映像を振り返らないと分からないため)、動きはJ1に相応しいクオリティだった。
74分、FC東京のロングスローをGK谷がキャッチすると町田ゼルビアのカウンターに。ものの数秒でボックスからボックスへのスプリントが必要になるが、西村は納得感のあるポジショニングで駆け抜けた。アディショナルタイムのコーナーフラッグ付近でのボールキープも同様で、抜くことなく素早くダッシュし、争点を見極めていく。
試合前から念入りにステップワークと目を慣らすウォーミングアップを行い、世界を知る経験が生み出すオーラと、ゲームを感じる力を駆使したエモーショナルなレフェリングでノーサイドに試合を終わらせた。
シャープにすべき部分もあるかもしれないが、ゲームでの笛の音は甘美。
Jリーグも終盤戦になると来季の去就が話題にあがるが、西村は前人未到の53歳でのシーズンに突入するのだろうか。