石井紘人のFootball Referee Journal

無料 #サッカー日本代表 パラグアイの明暗を分けたのはDVD『トリオ』でも語られたレッドカード一発退場になるSeriousFoulPlayとJリーグの判定基準も活きた? #パリオリンピック


65分の卓越したマネジメントとゲームコントロール

予想通り、足裏でのチャレンジには厳しかった。

【無料審判批評コラム】本日26時キックオフ日本代表×パラグアイ戦でフランソワ・ルテクシエ主審や審判団の判定・ジャッジで注意すべきこと「足裏でのチャレンジはカード」 #パリ五輪

22:05分、パスを出した後の平河の足をビエラが踏んでしまう。フランソワ・ルテクシエレフェリーのEURO2024での基準ならば、最低でもラフプレーは掲出するかと思ったが、アドバンテージを採用。

おそらくルテクシエレフェリーの位置からは、[レフェリーパラグアイ選手ビエラの右足平河のキックした足]といったポジショニングだったため、ポイントオブコンタクトが見えなかったのだと思う。キッキングくらいの判断だったのではないだろうか。

しかし、両選手のリアクション、ゲームの空気から違和感をもち、10秒後に試合を止める。

リプレイを見ると、蹴った後の平河の足をビエラが踏みつけていた。故意ではないかもしれないが、平河の足に逃げ場はなく、かなり強い力が足首に加わっている。VARが介入する事象だ。

23:20VARが介入し、OFRに。RRAで数十秒チェックし、ビエラはレッドカードで一発退場となった。ルテクシエレフェリーからすると、OnFieldDecisionで見極めたかったかもしれない。

とは言え、このシーン以外はさすがのレフェリングもみせた。

30分はさすがのアドバンテージで、ゲームの温度が上がるような行為には強いプレゼンスを示し、南米の選手に惑わされない。それはベンチマネジメントも同様で、アディショナルタイムに大岩監督とコミュニケーションをとる。65分には、キャプテンマークを付けているゴメスではなく、経験豊富なオーバーエイジのファビアン・バルブエナも呼び、ゲームへの協力を求めた。

49分、ディフェンディングサードでボールを奪われた所をファウルで止める格好になった高井に警告。57分にも足にチャレンジしてしまった関根に基準からも当然のラフプレーで警告。80分にも足にタックルする格好になったヘススにラフプレーで警告。90+6分にもスタンピングのようなチャレンジをしたエンソ・ゴンザレスにラフプレーで警告。EURO2024Jリーグ同様の基準である。

アディショナルタイムは、EURO2024ほど短くなく、DVD『トリオ』にあるようなJリーグのカウントだろうか。

 

日本代表の守備陣に二枚カードが出たのは残念だが、Jリーグの選手たちも強度にはしっかり適用していた。

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