石井紘人のFootball Referee Journal

無料:影山雅永JFA技術委員長「ちょっとした当たりでコロコロ倒れる選手が大嫌いだった」2010年監督時代→2024Jリーグ担架がピッチに入る事減→進むコーチ側とレフェリー側の協調【PRキャンプレポート①】

プロフェッショナルレフェリー(PR:日本サッカー協会(JFA)と契約するプロの審判員)キャンプ(合宿)の取材をするのはいつぶりだろうか。

619日は一日中レフェリーの取材をさせて頂けた。

11時から高円宮記念JFA夢フィールドにて今年第三回目となる『レフェリーブリーフィング』でスタートし、13時からPRたちの座学を後ろに設けて貰った席から一緒に学び、16時からピッチでのトレーニングが公開され、1730分から中村太PRと山本雄大PRの囲み取材で終了となった。

ピッチでのトレーニング前には、今年3月にJFA技術委員会委員長に就任した影山雅永氏が、扇谷健司JFA審判委員会委員長につれられて挨拶を行った。

影山氏といえば、2010年の監督就任時にファジアーノ岡山が、

 

「選手がピッチに倒れている際であってもボールを外に蹴り出さずプレーを継続したいと考えています。

もとよりボールを蹴り出すプレーは、ピッチに倒れている選手が重篤な怪我であることを心配し、一刻も早い治療を受けさせるための善意に基づくものであると理解しています。

他方、倒れた選手の怪我の程度に関する判断を現にプレーしているピッチ上の選手に強いることにより、より安全に配慮した判断の結果としてアクチュアルプレーイングタイムを大きく減少させていたとも考えています。なかにはピッチ上の善意を利用した時間稼ぎに協力してしまったと思われる場合もあり、それが誤解であったとしても、そうした誤解が生じることそのことがフットボールを、スポーツをより善きものとする途から外れたことだと考えています。

再掲:2009年の「Jリーグの10試合で担架に乗ってピッチの外に出る選手の数は、イングランドの10年分くらいに匹敵する」プレミアリーグレフェリーインタビュー

2010シーズンよりファジアーノ岡山においては、ピッチ上に選手が倒れている際は、レフェリーへの注意喚起は行うものの怪我の程度に関する判断はレフェリーに委ねることとし、そのホイッスルが試合を中断するまでは全力でプレーを続けたいと思います。

Jリーグ、天皇杯、練習試合等を通じて弊クラブと対戦頂く各チームの皆様にお願いいたします。上記のとおり、ファジアーノ岡山はクラブの方針として選手がピッチに倒れている場合であってもボールを外に蹴り出しません。

また上記の趣旨に則り、仮に対戦相手のチームが善意でボールを蹴り出した場合であっても、ボールを相手に返さずプレーを継続したいと思います。

つきましては、対戦相手となる各チームにおかれましても、できる限り弊クラブの考え方を御理解頂き、可能であれば同様にボールを蹴り出さずにプレーを継続頂けますようお願いいたします。」

 

という宣言をしたことが話題になったが、立場は変わってもフィロソフィーは貫徹されていた。

 

「皆さん、本当にいつもありがとうございます。遠い昔ですが、僕が岡山で監督をしている時に多くの方にお世話になって、その時に僕はレフェリーの方々を信じるという事と、ちょっとした当たりでコロコロ転がる選手が大嫌いで、「転がっていたら、ピッチ上でマイナス1になっちゃうんだぞ!」と。そんな事を言ってトレーニングをしているうちに、それはU-20(日本代表)でも一緒だったんですけど、基準を作り上げると、コロコロ転がっている選手が(何倒れているんだと)馬鹿にされるようになる。

だから僕は基準作りが一番大事だなと思っていて、一旦基準が出来上がってしまえば「そんなのファウルじゃないでしょ」と(共通認識になる)」。

影山委員長は、そのためにはJFAだけではなく、日本全体の指導者の力量も必要になってくる事から、「一年や二年では出来ない。だから(トップレフェリーの)皆さんに引っ張って貰って、ちょっとずつ、薄い紙を一枚ずつ積み上げる作業だと思っているんですけど。ある時、気付いたらこれくらいたまっていたんだとなるように」技術と審判の協調を力説。PRたちも自分たちの笛が育成に繋がることを再認識したようにみえた。

選手と接触する事もあるだろうがワールドカップ等FIFA大会で羽ばたくためにJリーグもEURO2024のようなポジショニングに移行と日本のトップアシスタントレフェリーの凄さ【PRキャンプレポート②】

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