石井紘人のFootball Referee Journal

扇谷健司日本サッカー協会審判委員会委員長記者会見「アマチュアだとしても、フィールドに立っている以上プロフェッショナル」「指導しきれていなかった我々の責任」

Jリーグジャッジリプレイ』(DAZN)でも話題になったJ11節のサンフレッチェ広島×コンサドーレ札幌戦の74分のノーゴール判定について、日本サッカー協会(JFA)審判委員会の扇谷健司審判委員長が説明を行った。

なぜ扇谷健司JFA審判委員長は誤審を認める会見を開き、クラブに直接謝罪をしたのか?【石井紘人コラム】

 

「皆様、こんにちは。扇谷です。今回急なお願いにも関わらず、多くの皆様にお集まり頂き、ありがとうございます。

先日行われたJ11節のサンフレッチェ広島×コンサドーレ札幌の74分の場面についてですね、皆さんに説明をしなければいけないと思い、お集まり頂きました。

まず、結論から述べさせて頂きますと、ゴールイン・ゴールアウト、どちらかの判定だったという場面なんですけれども、本来であれば、我々審判委員会としては得点を認めるべき・ゴールインにするべき事象であったと結論を付けました。

やはりこうした案件ですので、しっかり皆様にまずご説明をしなければいけないと思い、今回メディアブリーフィングを設定させて頂きました。

どういった経緯で、こういった最終的な結論になったかということからお伝えさせて頂きます。

月曜日に、我々Jリーグ担当のマネジャー等が会議を持ちました。

月曜日には色々なJリーグのVARに係る事象が全て我々の手元に来ます。それを確認して改めて協議をした結果、やはりこれは得点を認めるべきである、ということになりました。

その後ですね、当該のVARと話をした後、今回関わられた両チーム、札幌さん、広島さんにまずお電話をさせて頂きました。

当然ですが、結論をつけてお話をさせて頂いております。札幌さんに関してはお電話で、そして広島さんに関しては、昨日私の方が直接出向かせて頂いて、改めて説明を行いました。

あの、こういったことを審判委員会がやるという事は、あまり今までもなかったと思っておりますが、今回何故あえて発表させて頂いたかという理由をご説明させて頂きます。

まず皆さんにご認識頂きたいのは、今回の件は、我々レフェリーがピッチ上で起こるような、例えばハンドが見極められなかった、オフサイドが見極められなかった、PKが取れなかった、そうしたものと同じ判定のミスだと考えております。昨年あったような競技規則の適用ミスではないということは明らかです。

ただ、今J1リーグではVARを使っております。もう既にご存知の通り、VARというのはやはり透明性が求められています。

先日のクラブワールドカップでは、例えば(VARが介入時、OFR後にレフェリーがインカムを通して判定を会場全体に)アナウンスしたり。

またワールドカップでは、セミオートシステムのオフサイドシステムを使ったり、非常に明確さ、そして透明性を求められている中で、

やはり今回の審判員が下した判定っていうのは、あってはならない、我々としてはあってはいけないというふうに思っております。

もちろん、非常にVARというのは、大変なことだとは理解しております

(参考記事:VARの難しさとは?

けれども、それをもってもですね、サッカーを守るためにも、こういったことをしっかり皆さんの前でお話させて頂いて、そしてサッカーに関わる皆さんにお詫びをさせて頂いて、今後また信頼性のあるVARを目指して頑張っていきたいというふうには思っております。

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