石井紘人のFootball Referee Journal

無料:レフェリーは選手のように集まってトレーニング出来ない孤独さはあっても全国にいる審判も同じでそういう仲間がいると思うと頑張れる【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会会見⑤】

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1018日、FIFAワールドカップ(W杯)2022カタール大会に選出された山下良美レフェリーのオンライン合同取材が行われた。

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https://www4.targma.jp/fbrj/2022/11/23/post12309/

 

オンラインではあるが、囲み取材のように、一人が23つの質問を続ける形で進められたので、意訳もあるが全文を掲載したい。

山下良美レフェリー「J1は全ての面で日本のトップ」と感じたが「J1の試合を担当するという準備で臨んだので審判員として驚きはなかった」

 

―レフリー人生で難しかったこと、ピンチを感じたことはありましたか?

 

「審判をしている最中に、審判自身が楽しみを感じるという役割ではないですよね。どちらかというと試合を振り返って、自分が出来ていない所を見つけるような少しネガティブになりやすい役割だと思うので、そこに大変さは感じます。

また、審判も審判チームではあるのですが、プレーヤーのように集まってトレーニングが出来ないので、一人でトレーニングをしないといけない。そういう孤独は大変なことかと思います。

でも、そのトレーニングに関しては、全国にいる審判員の方々も、私と同じように、どこかでトレーニングをしている。そういった仲間がいると思うと頑張れるので、そう考えると孤独じゃないのかもしれません。

そういう大変さもありますけど、私は今まで「大変だった」とか「難しかった」とか「これがきつかった」とか大きく思ったことがないんです。

それは冒頭に言ったことと重なるのですが、周りの方がサポートしてくれて、人に恵まれてきたんだなと、そういう面でも感じています。」

 

―女性レフェリーが男性レフェリー以上にできることはありますか?

 

「もしかしたらあるのかもしれないし、得意な部分があるのかもしれないです。ですが、自分では分かっていないですし、特にそれを意識してもないです。それよりも、今までどうしてきたか、どうトレーニングしてきたかが大事だと思っています。」

 

W杯ノミネート女性レフェリーで一番若いと思うのですが、プレッシャーを感じますか?

 

「多分私は歳で言ったら真ん中です。ルアンダの方が一番下だと思います。

歳とか全然関係なく、皆で心ひとつに頑張ろうというのは、大会に行くといつもそれを感じるので、審判員全員でこの大会を成功させるんだっていう気持ちは強く思います。」

 

―ジャッジが微妙な時ファンから反対の声が聞こえる時はどうされますか?

 

「試合中は色々な声があると思いますし、色々な所から色々な声があると思います。

ですが、自分自身が審判員としてやることは決まっていますので、その時に自分が思うベストな方法で競技規則に従って対応したいと思います。」

 

VAR時代ですが、VARを意識してトレーニングされているのですか?

 

VARを意識してトレーニングはしていないです。ただ、コミュニケーションの部分でVARとコミュニケーションを取らないといけない時はあるので、やるべきことは変わる時もありますが、意識してトレーニングはしていないです。」

 

―これまでに中国のレフェリーと試合に臨んだことはありますか?

 

「はい、あります。女性レフェリーですけど、一緒に試合を担当したことがあります。その試合を4人でより良い試合にするという気持ちを一つにやった覚えがあります。

今回の中国のレフェリーの方とも、前回のセミナーでお会いしました。皆で大会を成功に向けて心を一つにしたいなと思っています。」

 

―中国の女子サッカーを観戦したことや審判したことはありますか?

 

「はい、もちろんあります。」

 

―中国の女性審判員とはどんな交流がありましたか?

 

「本当に楽しく仲良く、皆さんとてもいい審判員達でした。先輩も後輩も皆楽しく仲良くいつ、良い雰囲気で試合も出来ました。」

 

W杯に女性レフェリーがノミネートされたことは、W杯にとって、どんな意味があると思いますか?

 

W杯だけでなく、サッカーで。大きくはスポーツで女性活躍とか女性進出の部分をサッカーが引っ張っていく。そんな思いで私自身も頑張って行きたいなという気持ちがあります。」

 

W杯で「この国の試合を担当したい」「決勝を吹きたい」などありますか?

 

「特にないですね。日本代表の活躍を願っています。」

 

―一週間の過ごし方は以前と変わっていないですか?

 

「あんまり変わっていないです。特にトレーニングは二部練習をやろうと考えたことはあるのですが、そんなに必要ないと思いまして。今までやってきたことで大丈夫という自信があるので変わらずにいます。」

 

―イスラムでは肌の露出が良くないとされていますが、今回そのような指示はありましたか?

 

「そういう面での指示とかアドバイスは特にないです。」

 

―日本でやっていることを持ち込んで大丈夫という事ですか?

 

「今までカタールに行かせて頂いた時も、そういう意識をして行ったことはないので、今までと一緒かなと思っています。」

 

―大学の繋がりで何か応援とかありましたか?

 

「残念ながらないです()

 

―最後にコメントをお願い致します。

 

「間近に迫ってきたW杯ですけど、ただただ私は大会に向けて、今も、現地に行ってからも、全力を尽くしたいと思っています。本日はありがとうございました」

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