石井紘人のFootball Referee Journal

国際サッカー連盟審判委員会からは「体も心も技術面も100%の状態で集まるようにと」【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会会見④】

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1018日、FIFAワールドカップ(W杯)2022カタール大会に選出された山下良美レフェリーのオンライン合同取材が行われた。

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無料:選手が夢中になって、観客も夢中になって、色んな感情、その試合で得られる・心を動かされるような試合に審判員として関わり、サポート出来たら嬉しい【山下良美レフェリーFIFAワールドカップ2022カタール大会会見③】

オンラインではあるが、囲み取材のように、一人が23つの質問を続ける形で進められたので、意訳もあるが全文を掲載したい。

山下良美レフェリー「J1は全ての面で日本のトップ」と感じたが「J1の試合を担当するという準備で臨んだので審判員として驚きはなかった」

―カタールW杯に向けた研修が現地でありましたか?

 

「現地ではやってないです。先月か先々月にオンラインで一度ありました。」

 

―どういう内容でしたか?

 

「大会に向けての内容でした。大会に向けての準備を(オンライン上で)審判員全員で集まって、実際には顔は合わせてないですが、顔を合わせてっていう感じでやりました。」

 

―普段やっていない部分で、改めて指導されたことはありますか?

 

「特別「これをやれ」「あれをやれ」とは言われてないです。とにかく、「体も心も技術面も100%の状態で集まる」という確認はありました。」

 

―では、あとは現地に行って準備するのみという感じですか。

 

「はい、わからないですけど、そうなると思います。」

 

―現地に入る時期は、他の国際大会と比べて行く時期が早かったりしますか?

 

「私が前回行った2019年の女子W杯よりは早いです。フランスには大会の一週間前ぐらいに入ったと思うので、それより早いですね。」

 

―これまでも女性審判員という中で応援されることはあったと思いますが、W杯が決まってから届く声の量は違いますか?

 

「そうですね。そう感じます。」

 

―学芸大学で働いていたと思うのですが、仕事内容は?

 

「学芸大学の事務として働いていました。」

 

―サッカーは家族の影響で始めたのですか?

 

「そうです。よくある理由で、二つ上に兄がいるのですが、兄がサッカーやっているのを見て、自分もいつの間にかボールを蹴っていました。そして、4歳の時に始めたのがきっかけです。」

 

―どのポジションでプレーしていましたか?

 

「小学校まではどこのポジションか覚えていないのですが、その後はディフェンスをやっていました。ディフェンスのサイドだと攻撃が多くて私は苦手なので、真ん中でした。ボランチをやる時もありました。」

 

―大学生の時までディフェンスをやっていたのですね。

 

「そうですね。高校の時はバスケットボール部に入っていたので、高校の三年間はサッカーから離れていたのですが、大学に入ってからのサッカーでは、やっぱりディフェンスでした。」

 

―サッカーのどんな所が一番好きですか?

 

「サッカーって何が楽しいのか自分でもわからないんですけど、なんだか今まで辞められないでいるんですよね()なにが面白いのかあんまりわからないんですけど、22人が一つのボールを追いかけて蹴るっていうシンプルさみたいなのですかね。一つ言えるのは、サッカーにはサッカーを辞められない何かが私にはあります。」

 

―現役時代も走力が強みでしたか?

 

「走力は強みではありませんでした。チームの中でも、いつも下から2番目ぐらいだったので、凄く自信が無かった。審判員になって、初めて走るトレーニングをはじめたら少し早くなって自信がつきました。」

 

―走るトレーニングはいつから始めたのですか?

 

「トレーニング自体はもちろんしていましたが、2015年に国際審判員になって、そのタイミングでスプリントを早くするためにパーソナルコーチをお願いしたのですが、そこからよりスプリントに対して意識してトレーニングしていくようになりました。」

 

―今もコーチをつけてトレーニングされているのでしょうか?

 

「はい、今も継続してやっています。」

 

W杯では、オフサイドの半自動判定が導入されると思うのですが、研修の中でレクチャーはありましたか?

 

「いえ、特別ないです。」

 

―そういった新しいテクノロジーを導入される試合で、主審を務めるかもしれないという事に不安はありますか?

 

「新しいテクノロジーを使うってことに不安はないです。ポジティブに考えていますし、より必要な技術と考えています。」

 

VARがあっても審判員の方にはプレッシャーもあるでしょうが、そのプレッシャーの中でもVARは不安を和らげるイメージでしょうか?

 

「私は審判員としてVARがあることを凄くポジティブに思っています。

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