石井紘人のFootball Referee Journal

「J1で主力ではないのに海外に行っても『ゲーム体力』を失うのみ」「フィジカルコーチ と連絡をとらないパーソナルトレーナーとの契約を選手は考えた方が良い」

池田誠剛氏にフィジカルコーチの舞台裏を訊いた【無料】

前編で誠剛さんが教えてくれた『疲労回復能力』の上げ方やトレーニングについては、他媒体でも語られているので、下記を参照頂きたい。

 

「アスリートには、速筋繊維が多いタイプと、遅筋繊維の多いタイプがいます。

前者はパワーやスピードには長けているのに持久力がなく、疲労回復が遅く、試合中にどんどん走れなくなってしまう選手。当時のマリノスにいた選手でいうと、奥や田原らが該当します。

後者は持久力があるものの、スピードやパワーが不足しがちな選手。俊輔がその典型例といえるでしょう。

中間繊維タイプは最も理想的で、パワーもスピードも持久力もあります。ドゥトラや柳想鐵、今の日本人でいえば長友佑都や酒井高徳もそこに含まれます。

(中略)

速筋繊維が多いタイプには疲労回復能力を高めるために、練習後にゆっくりしたスピードで走ることを勧めます。」

参照リンク:https://amzn.to/3BI0Pqd

 

たとえば自転車トレーニングである。競輪選手がよく行なう練習だが、3本のローラーの上に自転車を乗せ、選手が漕ぐことでバランスを保ちながら車輪を回転させる。今まで広島ではやったことのないメニューだ。このローラートレーニングによって、何が見えるのか。

「ローラーの上で自転車に乗ると身体は倒れまいとバランスをとるようにするから、悪いところをかばうように乗る。そのことによって、身体のことが見えてくるんです。たとえば背中の筋肉が均等にきれいな波を打つように乗れるといいんですけど、アオの場合はそうではなかった。背中がガシッとなって動かないんです。どこかで筋肉が収縮している状況が続くと痛みのシグナルが出て運動をやめさせようとする。人間の肉体は、そういう感じにできているんです。

アオは特殊な才能があり、全身に高度なセンサーがついている。異常があると自分で修正しようとしていく感覚を持っているんです。だからこそ、一つ一つの機能を修正してやると、どんどん変わってくる。背中が動き、左右差も是正された。僕の感覚とアオの認識も合っている。だからこそ、前にいけるんです」

参照リンク:https://www3.targma.jp/sigmaclub/2021/12/20/post7454/

 

知り合いの鉄工所に頼み、オリジナルで製作してもらった。リクエストしたのは座面の角度と高さを変えられることに加え、360度すべての方向に進むこと。

その椅子でまっすぐ前に進むようにすると、左右両足をバランス良く使うことを覚え、インナーマッスルも鍛えられる。試作品を作ってもらうと、すぐに満足のいくものが届けられた。

カエルのようなフォームには、細かい要素がある。足全体を地面につけ、足の指は上に反らさず軽く地面をつかむようにして、かかとをメインにして押し出す。サッカーをプレーするときの足の感覚を意識することが重要だ。正しいフォームを覚え、より大きな負荷をかけたい選手には、ゴムひもを体に巻いて後ろから引っ張ることもある。この椅子を使うと、四股をするときに使ってほしい筋肉も分かるという。

参照リンク:https://number.bunshun.jp/articles/-/831907

 

池田誠剛氏に森保ジャパンのコンディショニングをどのように映った?

参照リンク:https://www.j-cast.com/trend/2022/09/15445724.html?p=all

 

このような運動生理学に基づいたトレーニングを行っている。それらを踏まえた上で、インタビュー後編を御覧下さい。

 

■鈴木優磨選手成長の理由とは?

1985年前後の選手で、平均値は凄く高く、若いうちから期待をされていたけれども、日本代表で活躍できなかった選手が結構いたと思います。一方で近年、平均値よりも個性を持った選手が大学経由で日本代表になり、海外で活躍している選手が多く出ています。

育成の評価は難しく、今の選手たちは10年~20年前の育成の成果でもあると思うのですが、近年の個性的な選手たちは育成が巧くいっているということなのでしょうか?

 

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