無料:著しく不正なプレーはDOGSOと違い、全ての要件が当てはまってレッドカードとするのではなく、ピースが大きい事項があれば一発退場【レフェリーブリーフィングレポート前編】
無料:国際サッカー評議会(IFAB)からの通達により今季のスタンダードではオンサイドとされた東京ヴェルディ×京都サンガ戦の36分のシーンはオフサイドに【レフェリーブリーフィング】
日本サッカー協会(JFA)が「国際サッカー評議会(IFAB)回状26号(オフサイドの解釈)ついてのレフェリーブリーフィング」をオンラインにて開催した。「意図的なプレー」と「ディフレクション(ボールが競技者にあたり方向が変わる、すなわち意図的なプレーではない)」の違いを東城穣Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャー(MG)が映像を交えて説明した後で、Jリーグで起きた「著しく不正なプレー」と「乱暴な行為」についても言及した。
東城MGは、J1第24節のFC東京×清水エスパルス戦の45分のタックルについて、難しいシーンではあるが「著しく不正なプレーでレッドカードを掲出すべきだった」と基準を示した。
そして、このシーンの考慮事項としてあげられたのは
・相手競技者の「正面」、3~4mからアプローチ
・身体を投げ出している(ジャンプ・身体がコントロールできない状態)
・足を高く上げている(膝は少し曲がっている)
・足裏が相手競技者の「内太腿付近」に接触(フルコンタクト)
・Intensity(強さ)は「High」までではない、そこまで「スピード」は伴っていない
・遅れたタイミングで、ボールにプレーできていない
印象的だったのが、著しく不正なファウルプレーをパズルのピースのように当てはめていくということだ。
DOGSOであれば、要件全てを満たして適用されるのだが、著しく不正なプレーは、考慮事項の中のピースに大きいものがあれば、それで適用されることもある。
たとえば、上述のシーンでは、強さやスピードはそこまで伴っていない。膝も少し曲がっており、ストレートレッグではないため、レフェリーはオレンジとし、VARも介入しなかった。
しかし、足裏がフルコンタクトで内太腿付近に接触しており、遅れて、ボールにもプレーできてなく、身体がコントロールできない状態でのチャレンジだった。そのピースは非常に大きく、著しく不正なプレーのパズルに充分当てはまる。
このような指導を行い、今後は著しく不正なプレーをしっかりと見極めていくとのこと。実際に、J2第30節のレノファ山口×水戸ホーリーホック戦では、しっかりとレッドカードが掲出された。
その他、FBRJでも話題になった【乱暴な行為】など、こちらも後ほどレポートしたい。
FC東京×清水エスパルス戦のアダイウトンには乱暴な行為でレッドカードを掲出すべきだった【2022年8月レフェリーブリーフィング後編】