石井紘人のFootball Referee Journal

森保一監督会見前編「これまでやってきたコンセプトをより徹底して、発揮できるように、ベースの部分をより強固に」「我々が持っている力、それは選手の個の力、そして日本代表としてのチーム力を最大限に発揮すれば、どこと戦っても我々はしっかり戦える」

日本サッカー協会(JFA)は先月20日、オンラインで記者会見を行い、パラグアイ戦、ブラジル戦、ガーナ戦、チリまたはチュニジア戦の4試合に臨む日本代表メンバーを発表した。

 

―メンバーを見ると基本的には、これまでのメンバーを軸に、成熟を目指していく顔ぶれのように思えます。先ほど、反町(康治JFA)技術委員長が「逆算してチームを作っていく段階」とおっしゃられましたが、この四試合、既存のメンバーで成熟を高めていく狙いでしょうか?メンバーの意図含めて教えて頂ければと思います。

 

森保一日本代表監督「おっしゃられる通り、ワールドカップに向けてチーム作りを進めるという事、個人のレベルアップをこの四試合で確実にできるようにと思っています。メンバー選考に関しては色々な捉え方があると思いますが、まずはワールドカップに向けて、戦術浸透を更にはかる、そしてオプションを作っていくということをやっていけたらと思います。

メンバーに関しては先ほども言いましたが、色々な見方があると思います。代わり映えがないと言われることもあると思いますが、逆にここに選ばして貰った選手たちはシーズンを通して力を見せていくという事、我々はスカウティングというところから、今回の選手を招集させてもらいました。また、チーム作りは進めていく中で、これまで未招集だった選手、なかなかチャンスをもらえなかった選手も、これからまだ十分期間がありますので、その中でスカウティングを重ねて、最終的に最強のチームを作れるように考えていきたいと思います。」

 

―大迫(勇也)選手が選外になりました。直近の怪我などを見ても、コンディションに問題があるとは思いますが、大迫選手の状況をどのように見ているのか。また彼がいない時、どのように形を作っていくのか。前線をどのように考えられていますか?

 

「大迫の状態ですが、直近の試合メンバー外ということで、詳しい状況は入手していませんが、コンディションが100%ではないということは聞いています。彼はこれまでもおそらく自分の体調的には痛みを抱えながら100%でないところを、チーム状況を見て、何とかチームのために、チームの勝利に貢献しようという事で、かなり無理をして試合に出ている状況かと思います。彼の男気は素晴らしいと思いますが、その反面、コンディションが100%になっていないという事なのかなと見ております。

代表チームにおいても、彼は長くチームを引っ張ってくれた存在とみています。彼が代表でプレーできないという事は、残念ですが、大迫抜きで戦った時に、チームとしては色んな選手にチャンスが多い、伸びしろを増やしていく、チームの総合力を上げていくということではチャンスなのかなと思います。

ここがチャンスだと思っている選手たちには思いっきりプレーしてもらい、代表の戦力として、成長してもらいたいと思いますし、我々チーム全体がレベルアップするためにもいい機会だと思いますので、またオプションを作るという事と、どの選手がアピールしてくれるのか楽しみに活動したいと思います。」

 

―この時期に初選出になった伊藤(洋輝)選手について監督はどう思われていますか?

 

「今年はシーズンをとおしてディフェンスのポジションで出続けた部分、守備のところで屈強な相手を止めながら、攻撃では彼の良さを出してチームの攻撃の起点となる選手として、活躍してきたと思っています。」

 

―大迫選手は万全ではないということでしたが、万全ではない富安(健洋)選手はあえて招集したのは?

 

「本人のコンディションを代表チームで確認したいという所と、この先代表の活動の中で彼が練習できる・試合をできるという見通しもあるという事で招集させてもらいました。実際は怪我の状態をしっかり見て、どういう風にチームとして彼をサポートしていくのか、メディカルの判断に従ってやっていきたいと思います。」

 

―ワールドカップまで全体で試合出来るのが六試合、今回はその内の四試合です。このレベルに行きたい等、具体的ななにか目標等はあるのでしょうか

 

「このレベルは『より高く』が常にありますので、どこまでかというのはわかりませんが、選手が持っている力、そして日本代表のチームとしてのパワーを最大限残せるようにして行ってほしいなとおもいます。」

 

―はぐらかされたような()もう少しだけ。3バックを考えている等、ここだけはチャレンジしておきたいとかそういう事もないでしょうか

 

「これまでやってきたコンセプトをより徹底して、発揮できるように、ベースの部分をより強固にできるか。選手も前回の三月の代表活動から若干変わっていることもあると思いますし、前回の招集から期間も空いていますので、チャレンジしたいことはたくさんありますが、まずはコンセプトのベースになることをしっかりと浸透させていければと思います。

そのうえでできれば、新しいことにチャレンジしていく事も考えていきたいです。

まずは我々が持っている力、それは選手の個の力、そして日本代表としてのチーム力を最大限に発揮すれば、どこと戦っても我々はしっかり戦えるという事を、自信もって戦えるように、自分たちのレベルアップができるように、考えていきたいと思います。」(了:後編に続く)

 

■連載:森保ジャパン勝負の1年

 

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