石井紘人のFootball Referee Journal

無料:鈴木優磨へのパトリックの腕をJリーグジャッジリプレイが解説「レッドカードは可哀想」公式見解はJFA審判委員会レフェリーブリーフィング後に

■公式見解はJリーグジャッジリプレイではなくJFA審判委員会

『週刊レフェリー批評』でも議論になったガンバ大阪×鹿島アントラーズ戦で起きた【乱暴な行為】での一発退場を『Jリーグジャッジリプレイ』が取り上げた。

家本政明氏は「正直、厳しい(判定)かなと。パトリック選手が、こういう表現が良いのか分からないですけど、可哀想だなと。(レフェリーが)鈴木さんに対応できなかったのも非常に残念だなというのが、僕がいくつかのアングルを見た結論です」。

そして、このような判定になった理由については、レフェリーからは鈴木パトリックボールを縦位置で見るポジショニングになってしまっていた。結果、「主審からは、腕の動きは分かったと思います。ただ、腕の程度、どれくらい触ったのか、払おうとした手なのかの事実関係が分かりにくい」。

映像では、パトリックの肘が鈴木に向かっていったようにも見えるものの、「冷静に見ていくと、そんなに当たっていない。肘を向けにいくというよりは、(鈴木に)抱えられていた(腕を)なんとか制止しながら、自分がボールの方に行きたいというように分析するのが正しい見方なのかな」「人間って、止まっているものよりも、動いているものに注意が向けられる特性がある。荒木さんは、あれ?って思いながらも、腕が動いてきたから、そっちにフォーカスしてしまった。副審たちからも、(鈴木の腕が)奥側の腕なので、(パトリックの脚を)抱えているように見えていない可能性がある」とレフェリー視点を解説。

それでも、「レフェリーが冷静に考えれば、客観的に事実を100%把握できるポジションにいたのか?と問われた時には、事実の3040%しかキャッチ出来ていない」。それならば、レフェリーから「現場ではこういう判断をするから、これは違うなら映像を欲しい」とVARに投げかけることは出来たのではないか?と“らしい”提案。

一方でVARが介入しなかったことには、肘が向けられて、レッドカードを感じてしまう映像が事実としてあるため、「このケースはだいぶ難しい」と理解を示した。

家本氏のわかりやすい解説がある『Jリーグジャッジリプレイ』は必聴だ。

 

また、上述の見解は、家本氏も強調しているようにあくまでも個人の見解であり、FBRJでは後ほどJFA審判委員会のレフェリーブリーフィングでも取材したい。

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