石井紘人のFootball Referee Journal

無料:プロフェッショナルレフェリーが明かす審判のハンドの反則の見極めの難しさ【開幕前レフェリーブリーフィングレポート⑥】

216日、日本サッカー協会(JFA)がオンラインにて『レフェリーブリーフィング』を開催した。

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その中で、取り上げられたハンドの反則(参照リンク)の見極め方について、松尾一プロフェッショナルレフェリーが教えてくれた。

【無料コラム】プロフェッショナルレフェリーとは?

「昨年度のルール改正でハンドの反則かどうかを判断するために、(過去よりも主観が弱まり)腕というのが脇の下の範囲の一番奥の場所と定義づけられたので、審判はボールが選手のどこに当たったのかというのをより見極めないといけなくなりました。

そして、どこに当たったのかというのと合わせて、そのボールが選手にどのように当たったのかも併せて判断をするようになったので、更に難しい見極めになったと思っています。

我々は一生懸命、ハンドや他の反則を見極めようとしているのですけども、実際に映像で皆さんが見ているものと角度が違うことなどが起きてしまいます。

そして、ハンドの反則というのは少しでも我々審判員の角度が違うだけで、どこに当たったかの感じ方が違ったり、あるいはそもそもハンドの反則自体が見えなかったりすることがあるのです。

その中でも、我々審判は、どのようにボールが全身に当たるのだろうかを予測しながらポジショニングだとか、どこに目を向けるべきかを気にしながら判定するように心がけています」。

 

先日もハンドの反則が話題になってしまった(参照リンク)が、その背景には松尾PRが教えてくれたような難しさがある。

ハンドの反則の改正は、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)が白黒付けやすくしたのだと思っているが、一方、ピッチ上で見極めるのは困窮を極めてしまっている。そういった近年の競技規則を知っておくだけで、判定へのストレスは緩和されると思う。

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