石井紘人のFootball Referee Journal

ザーゴ監督、Jリーグには「サッカーをするのではなくて、結果だけを求めるチームが多く」【鹿島アントラーズ×サンフレッチェ広島:村上伸次審判団】「レフェリー、しっかりと見ていました」(桑原学氏)

「僕は日本に発展の手助けをしようという考えでサッカーをプレーする、醍醐味を表現するということをやって、それによって日本の若い選手が成長していく。そういう意識を持って取り組んでいるけど、実際に来てみると、サッカーをするのではなくて、結果だけを求めるチームが多くて、僕自身はどうかなと思うんですけど、自分としては自分のサッカー哲学を貫いてやっていきたいと思う。選手たちが守備的にポジションをとったチームに対して、最後まであきらめずにやり続けたというのは評価して良い」とザーゴ監督が振り返った試合の審判批評をしたい。

 

悪天候でのプレーは「雨が降って、ボールがすべりますから、凄い早いスピードで皆(選手)動いていますので、コントロールが伸びる。伸びてしまった結果、コンタクトプレーが発生する。その時にぶつかってしまうのが続く」と戸田和幸氏が評したようにレフェリーとしても非常に難しい。

コイントス時、村上伸次主審も両選手に何かを伝えていた。とは言え、神経質にはならず、立ち上がりのノーマルフットボールコンタクトは今季の基準通りに流しながらも、4分のようなあからさまなホールドや8分のようなひっかけたファウルはしっかりとる。

8分には懲戒罰まではいかないがリスタートを邪魔した森島に注意を与える。15分のドリブルをファウルで止める格好になったシーンはアドバンテージを適用したため、カードはなし。直後のやり合いも互いにであり、フィフティとみる。21分のレオシルバのファウルもしっかりと見極めた。

23分には、クリアした東に犬飼がワンテンポ遅れて体当たりしてしまう。村上主審が目を移した後だったため、ファウルの笛の後で副審とコミュニケーションをとり、状況をしっかりと確認した。丁寧にレフェリングしていく。

25分、競る前に腕で相手を打つ格好になったレオシルバに警告。「村上レフェリー、しっかりと見ていました」(桑原学氏)というナイスジャッジだ。ここまでのプロセスも伝わる。

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