石井紘人のFootball Referee Journal

報復行為はレッドカードというルールはありません【反スポーツ的行為】での警告か「過剰な力を用いたり粗暴な行為を行う、または、行おうとすること」「頭や顔を手や腕で打つ場合、その力が微小なものでない限り」の【乱暴な行為】、もしくは【著しく不正なプレー】での一発退場

 

 

反スポーツ的行為(中略)

試合に対してリスペクトに欠ける行為を行う

 

著しく不正なプレー

相手競技者の安全を脅かすタックルまたは挑むこと、また過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、著しく不正なプレーを犯したことで罰せられなければならない。

いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横、あるいは後ろから突進した場合、著しく不正なプレーを犯したことになる。

 

乱暴な行為

乱暴な行為とは、身体的接触のあるなしにかかわらず、競技者がボールに挑んでいないときに相手競技者に対して、あるいは、味方競技者、チーム役員、審判員、観客またはその他の者に対して過剰な力を用いたり粗暴な行為を行う、または、行おうとすることである。

加えて、競技者がボールに挑んでいないとき、意図的に相手競技者やその他の者に対して頭や顔を手や腕で打つ場合、その力が微小なものでない限り、乱暴な行為を犯したことになる。

 

SNSに溢れる「報復行為なのにレッドカードじゃないのは誤審」

「選手がファウルを受けて、ファウルを受けた選手が相手選手を軽く押してしまうとか、蹴ってしまうとか、こういった行為があった時に、「報復行為なのだからレッドカードでは?」という意見を目にすることがあります。ですが、競技規則には、「報復行為だからレッド」というのは明示されていなくて、程度や部位によって【反スポーツ的行為】なのか【乱暴な行為】なのかというラインがあると思うのですが、「報復行為だからレッド」という考え方はあるのでしょうか?」

FBRJでも議論になっていたことを扇谷健司国際・Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーに訊いてみた。

 

「おっしゃって頂いた通り、報復したら全てがレッドカードということは競技規則には書いていないです。

ファウルをした選手に、ファウルを受けた選手が何か(報復のような)行為があった時に、その行為が相手に対して、どれだけ強さがあるのか。程度の部分ですね。さらに、部位、顔や人間の急所の部分、どうしても守ることの出来ない部位に対すると、イエローよりもレッドに近付きます。分かりやすく言うと、軽いキックだとしても、それが顔であればレッドカードになります。もちろん、石井さんの言う程度も見るのですが。

ただ、ボールにプレーしている流れの中なのか、ボールやプレーに無関係な所なのかで、【著しく不正なファウルプレー】と【乱暴な行為】に分かれる訳でして、(無関係な所の方が)ハードルが高くなる、気を付けなくてはいけないかなという認識はあります。」

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