無料:上川徹JFAトップレフェリーグループシニアマネジャー「240試合の中でチーム側が誤審と感じ意見交換会を行ったのは48試合64シーン。実際にミスジャッジだったのは15シーン」【前編①】
Jリーグレフェリーチームの1月からルヴァン決勝までを追った
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2017年から定期的に行われている『JFAレフェリーブリーフィング』(参照リンク)の2019年シーズン第一回が開催された。
最初に小川佳実JFA審判委員長が、『JFAレフェリーブリーフィング』を『Jリーグジャッジリプレイ』よりも重要な位置付けと説明したが、メディアという情報媒体がサッカー競技規則を理解することで生まれる相乗効果は視聴者にも波及するからだろう。
また小川委員長は、今季のJリーグの判定基準に手応えも感じており、来日し、Jリーグも観戦したDAVID ELEERAYイングランドサッカー協会審判委員長に、「プレミアリーグとどちらが面白い?って聞いたのですが、答えなかった(笑)それは、Jリーグが、プレミアリーグと比べても遜色ないくらいに面白くなったということだと思います」と明かした。
ここからは、いつも通り上川徹JFAトップレフェリーグループシニアマネジャーが相互理解を深めるために判定の説明を行った。
ちなみに、ブリーフィングで使用される映像は、「Jクラブ側にも渡している」(上川氏)。
開幕から240試合の中で意見交換会をしたのが48試合。だいたい5試合に一回くらい意見交換会が行われている。特にハンドリングについてチーム側からの声が多いという。
そして、48試合でチーム側が誤ったと考えた64シーンの中で誤審だったのは、15シーンのみ。
上川氏は「(1試合で250の判断をする)レフェリーのミスも(確率的に)下がってきている。数字だけをみれば、良い傾向」と胸を張る。
良い数字が出ている一方で、ルヴァン杯の判定の精度は下がった。それは今季、AARがないことが起因している。
J3第2節 FC東京U-23×岩手戦の90分
上川氏「守備側選手の腕が上がっています。皆さん、PKだと思われますよね?
実はよく見ると、この腕は攻撃側青色の選手の腕なんです。白色の選手の腕は上がっていないのを副審がしっかりと見極めました。
見えなかった主審を巧くサポートしました。」
J2第1節 愛媛FC×ジェフ千葉戦の78分
「最後の映像を見ると、腕に当たっているのが見えます。
ボールのコースに体を投げ出している。その時の腕の位置は、腕から大きく離れている。そういった動きは、意図があると考えます。
この試合ではPKになりませんでした。良いポジションにはいたのですが、スピードの速いシュートを見極められませんでした。PKで警告が必要なシーンです。」
ルヴァン杯3節 清水エスパルス×ガンバ大阪戦の17分
「ゴールライン上でシュートを腕が下の方向に動いていて、腕でトラップする格好になった。意図があると見ます。得点の阻止で退場です。」