【無料/コラム:どこよりも早い佐藤隆治審判批評採点】チャンピオンシップ浦和レッズ×鹿島アントラーズ:帳尻合わせではない妥当だった槙野のPK
Jリーグチャンピオンシップを制したのは鹿島アントラーズ。アウェイで浦和レッズに2-1と逆転勝ちし、Jリーグ王者となった。
第一戦後、夕刊フジだけでなく、サッカー誌や現代ビジネスからも大枠は妥当な判定(参考記事:CS第一戦家本政明審判批評)に対し、過去のジャッジが持ち出され個人攻撃が行われた(参考記事:誤審報道に中田英寿氏を思い出す)。ある意味では、選手の現在の活躍を、過去のプレーで乏しめるようなものである。しかも犯罪をおかしたように。それでも、選手であれば、メディアから受けた痛みを発信できる。が、審判員は、言われたら、書かれたら、飛び交う批判のための批判の中で現役生活を続けるしかない。それでもビッグマッチを割り当てられる審判員はブレない。コッリーナ氏の次に優秀と評されていたアンデルス・フリスク氏もそうだった。スポーツの枠を超えたチーム関係者の罵詈雑言や先鋭化されたファンからの脅迫に嫌気がさし、引退してしまったが…。
断っておきたいのは、審判批判をするなとは言いたいのではない。判定について報じるならば、ルールをベースに批評するのが公正だと思うだけだ。そのような批判を現役の審判員たちも受け入れているし、実際に私の追及するような厳しい質問(参考記事:レフェリー取材記)にも答えてくれる。しかし、監督や選手のコメントのみで審判像が作り上げられてしまうことが散見している。そこにPV稼ぎの記事が飛びつき、審判員が晒されてしまう。それは批評ではないし、日本サッカーの発展にならない。
ということで、第二戦の佐藤隆治審判団のレフェリングを採点したい。
佐藤主審は、ボールにプレーできる範囲内とジャッジするとファウルとしない。もちろん、ボールではなく、先に足に影響したものはしっかりとる。また、ボールにプレーできない・ボールへの意図がみえない激しいコンタクトには、29分や54分のように懲戒罰を与え、ラフにならないようにコントロールした。途中出場の鈴木優磨が基準にフィットしなかったのが印象的だった。
78分の槙野智章のファウルも妥当で、警告にしたのは今日の基準ならばボールにプレーする意図があったと見たか。議論できるし、他にもミスがなかった訳ではない。細かい点は録画映像でチェックした後に審判批評するが、採点4は与えられるのではないだろうか。
~採点基準~
5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:カード・得点に対する受け入れられない微妙な判定があった
1:ミスから試合に影響を与えてしまった
0:試合を壊してしまった