石井紘人のFootball Referee Journal

【石井紘人コラム】中山雅史は終わっていない

中山雅史が引退した。

が、引退という言葉が正しいとは私は思っていない。

引退会見で語った「リハビリを続ける」というのは事実であるし、そこで「バリバリになる」可能性は十分にあり、そうなったら「カムバックする」(中山)。

なぜ、「バリバリになる」可能性が十分にあるかというと、すでに奇跡ともいえる復活を果たしているからだ。

会見でも語っているように、中山は、一昨年の終わりに手術を行なったが、その際に、「痛みが消えることはない」とドクターに言われていた。そして、膝はどんどん悪化し、ほんの半年前には歩くことも困難になっていた。

そんな中で中山が出会ったのが、J’s Goalには「優秀な先生」と表記され、別のメディアでは「静岡のトレーナー」と表記された「夏嶋先生」(中山)である。

夏嶋は中山との出会いをこう振り返る。

 

「「中山さんあがりました」という連絡が受付から入って、俺の部屋に来るまで30分近くかかってたんだ。普通なら1分もかからんのに。何やってんだと思ったら、カタツムリみたいに歩いてた(笑)」

 

そこから数ヶ月で走れるまでに回復させ、さらに半年で蹴ることを可能にし、Jのピッチにも戻した。二人に、より時間があれば。夏嶋が驚くほどの気力と集中力、精神力の強さを持つ中山ならば、進化してピッチに戻ってくる可能性は十分にある。 

そんな中山に夏嶋が与えたリハビリ。

そのひとつが歩き方を変えること。

夏嶋の

足ゆび力 ~つま先を使うだけで一生健康でいられる~
石井 紘人
ガイドワークス
売り上げランキング: 534

で説明されているように、全てにおいての基本である。

怪我に悩んでいる方々には是非ご覧頂きたい。

内容はいたってシンプルで、流行っては消える“~~ダイエット”や“~~トレーニング”とは一線を画すものとなっている。夏嶋は科学で証明できない、ステレオタイプなものは一切取り入れない。

中山がカムバックする時、怪我の概念も変わる。それもまた、中山らしい。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ