「バック・トゥ・マラカナン」親子4代にわたるトゲとは?|ヨコハマ・フットボール映画祭2023 #YFFF23
今回はヨコハマ・フットボール映画祭2023で上演される映画「バック・トゥ・マラカナン」について、実行委員長の福島成人さんと対談を行いました。
公式サイト:ヨコハマ・フットボール映画祭2023
「バック・トゥ・マラカナン」あらすじ
事業は失敗、妻に逃げられ、踏んだり蹴ったりのロベルトは40歳。余命宣告を受けた父・サミュエル、サッカーに全く興味がない無気力息子のイタイ。イスラエルに住むブラジル人移民の3人が海を越えて向かう先は……ブラジルW杯!決勝の地、マラカナンを目指し、キャンピングカーでブラジル中を駆け巡るドタバタ旅の行方はいかに!?
【上映スケジュール】
6月18日(日)13:50-16:00 かなっくホール
ゲスト:カカロニすがや(お笑い芸人)
6月20日(火)20:00-
シネマ・ジャック&ベティにて追っかけ上映
川本 絶対見てほしいと思いました。この作品は、どのような経緯で入手したのですか?
福島 海外の映画祭で公開される。データベースサイトで調べる。映画の市場(マーケット)で買い付ける。または売り込みとか。入手の経緯にはいくつかパターンがありますが、この作品はマーケットで販売されていました。
川本 本当にいい映画でした。ところどころに伏線がちりばめられている。
福島 例えば、サミュエルが両親の墓参りをするシーン。墓にダビデの星が描かれており、イスラエルにルーツがあることが想像できます。
川本 このシーンでは墓石に刻まれた文字から、サミュエルの父(主人公の祖父)の没年が1950年であると分かります。また会話の中でロベルトがイタイに、祖父の死因が心臓麻痺であったことを伝えます。これも伏線でした。墓参りの後、ロベルトたちは伯母の家を訪ねます。
主人公のロベルト。その父親・サミュエル、そしてロベルトの息子・イタイ。この3人が主な登場人物ですが、カギとなるのはサミュエルの姉(主人公の伯母)です。伯母の言葉は重要で、物語の真実を示唆しています。演劇で言えば、ステージマネジャー的な存在。あるいは、箴言(しんげん)者とかアフォリストとも言えるかもしれない。
福島 そうですね。心に響くというか。最初に日本語字幕がない状態で見て……、英語の字幕はあったんですが、伯母の物語が思った以上にきちんと作り込まれており、びっくりしました。マラカナンの悲劇(※)で何があったのか?
※マラカナンで行われた1950年のブラジルW杯最終戦。ブラジル代表はウルグアイ代表に敗れて優勝を逃す。
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