川本梅花 フットボールタクティクス

ラインメール青森 廣末陸「青森に恩返しができれば」【無料記事】成績だけではないJ3昇格のハードル

2017年度の高円宮杯U-18チャンピオンシップ、さらに全国高校サッカー選手権を制した期待のGKがラインメール青森FCと2021年に完全移籍の契約を結んだ。ラインメールへの移籍コメントで「青森で結果を残し、必ずJ1の舞台に這い上がってきます」と宣言した。4月16日に行われた日本フットボールリーグ(JFL)第6節・東京武蔵野ユナイテッドFC戦後に話を聞いた。

廣末陸プロフィール

1998年7月6日生まれ、東京都出身。

経歴

FC東京U-15深川-青森山田高
2017年~2020年 FC東京
2019年 レノファ山口FC(期限付き移籍)
2020年 FC町田ゼルビア(期限付き移籍)

昨季と今季のサッカーの違い

――青森はもう慣れてるよね。

廣末 いやーもう高校時代を入れて5年目ですからね。

――完全移籍でラインメールと契約した理由は何かあるの?

廣末 高校時代からの縁がありますし、新たなチャレンジとしては面白いかなと思って。フロントスタッフから「青森を盛り上げてほしい」と言われて、僕も青森に恩返しができればと考えて決断しました。

――ほかのクラブからは話はなかったの?

廣末 まとまった話はなかったです。

――今季から柴田 峡さんに監督が替わったけど、手応えはどう?

廣末 やることがはっきりしていて、まとまりがあっていいと思います。

――対戦した武蔵野の印象は?

廣末 それほど攻撃のパターンはなく、ロングボールを蹴ってきた。2トップがパワーのある選手だったので、僕らはカウンターを警戒していました。前半はピンチの場面が何度かあったのですが、なんとか集中力を切らさず、ゼロで抑えられて良かったです。

――コーチングしてる声がピッチに響いていたね。

廣末 声が通ったのはコロナ禍の影響だから余計に響きますよね。コーチングはやって当たり前ですよ。僕は客観的に後ろで試合を見られるので、プレーしている本人たちは自分の周りばかり見えるので、後ろの僕がどんどんコーチングしてすり合わせをした方がチームにとってまとまりが出ます。

――キックに関しては自分のセルフポイントだと思うけど、この試合についてはどんなところに気を配ったの?

廣末 武蔵野戦は、自分たちから見て右サイドにボールが集まりました。相手の左サイドの選手は背が低く、それほど競れるタイプの選手じゃないから、試合前に相手の左サイドに長いボールを蹴っていこうと打ち合わせをしていました。後半は風が強くなってきたので、高いボールを精度良く蹴るのが難しくなったので、相手陣内深く押し込むように蹴りました。

――55分くらいに右サイドからクロスを上げてシュートを打たれたけど、ラインメールの選手がゴール前に立って弾き返した場面くらいかな、危なかったのは。

廣末 そうですね、ただ、ディフェンスの裏にボールを入れられる場面が何度かあったし、高い位置まで入られた場面もあったので、そうした場面を限りなくゼロにしていかないと満足はできません。シュートブロックした場面も偶然ではなく、ああなったらどの選手がゴール前に立つのか打ち合わせていたので、DFといい関係性を築けていると感じます。

――昨季と比べてディフェンスは安定したように見えたけど。

廣末 サッカー自体も昨季とは違っていて、今季は相手を見ながら対応していくサッカーで、昨季は後ろからつなぐサッカーだったので、つなぎの途中で悪いボールの失い方をしてショートカウンターで失点する場面が多かったです。僕自身もGKとして昨季の失点の多さは気になっていたことなので。この試合は逆に後藤(京介)選手がビルドアップの際に落ちてボールをもらいにくるので、そこは分かっていたから、プレッシャーをかけてボールを奪うやり方をしました。

――目標はJ3昇格だよね。

廣末 もちろんそうです。チーム一丸となって目標を達成したいです。昨季の観客数の平均は500人から600人だったので、それが急に何千人になることはないので、選手である僕らも地域活動などをしてクラブに協力していきたいです。

川本梅花

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