川本梅花 フットボールタクティクス

【コラム】TOKYO CITY F.C.を知っていますか?(1)ードキュメンタリー作品から見えるリアリティー【無料記事】東京都社会人サッカーリーグ2部のクラブの歩み

TOKYO CITY F.C.を知っていますか?(1)

−ドキュメンタリー作品から見えるリアリティ−:東京都社会人サッカーリーグ2部のクラブの歩み

東京都社会人サッカーリーグ2部に所属するTOKYO CITY F.C.(以下、TCFC)に興味を持ったのは、ヴァンラーレ八戸に加入していた宮崎泰右が、次にプレーするクラブに選んだからだ。宮崎には、大宮アルディージャのユース時代から注目し、昨季J3八戸でのプレーも見ていたこともあり、今後の動向を気に掛けていた。そうした中、TCFCに移籍したことを知り、2月16日に行われた東京カップ1次戦Bブロック4回戦・FC青山戦を見るため、駒沢補助競技場へと向かった。

参考:2020年度 東京都社会人サッカーチャンピオンシップ(東京カップ)

残念ながら、宮崎はメンバーに登録されておらず、会場にその姿はなかった。しかしTCFCには元ヴァンフォーレ甲府の阿部翔平や元アビスパ福岡の柴村直弥が加入しており、阿部はFC青山戦に出場していたし、柴村もグラウンドに来ていた。そして彼ら2人から試合後、話を聞くことができた。

TCFCに関して、クラブ設立の経緯を知らない読者もいると思うので、ここで簡単に記したい。SNSで知り合った仲間たちが渋谷を起点にJリーグ加入を目指すフットボールクラブを作る。2014年設立のTCFCは、CEOの山内一樹を始め、ミレニアル世代(20~30代)によって運営されているクラブである。2019シーズンは東京都社会人リーグ2部で戦った。得失点差によって2位となり、1部昇格を逃す。現在所属する東京社会人2部は、J1リーグから数えて8部に相当する。

参考:TOKYO CITY F.C.とは -What we are-(TCFC公式サイト)

昨季の戦いはドキュメンタリーとしてYouTubeに挙げられている。9話まであり、ドキュメンタリーならではの“リアル”が描かれている。阿部と柴村はプロ契約だが、ほかの選手はアマチュア契約。なんらかの企業に就職し、仕事をしながらサッカー活動をしている。中には、週2回のチーム練習に参加できるかどうか、という選手もいる。まずドキュメンタリーを見てほしい。優れた出来ながら、再生回数はいずれも500~2000程度。もっと多くの人に見てもらうことを願わずにはいられない。

【#01】Documentary of TOKYO CITY F.C. ~クラブ史上最高の相手~

【#02】 Documentary of TOKYO CITY F.C.~渋谷からJリーグへ~

【#03】 Documentary of TOKYO CITY F.C.~Mr. TOKYO CITY~

【#04】Documentary of TOKYO CITY F.C.~新戦力の躍動~

【#05】Documentary of TOKYO CITY F.C. ~18歳の守護神~

【#06】Documentary of TOKYO CITY F.C.~孤高の指揮官~

【#07】Documentary of TOKYO CITY F.C.~エースの復活~

【#08】Documentary of TOKYO CITY F.C.~優勝への天王山~

【#09】Documentary of TOKYO CITY F.C.~勝利への執念~

TCFCを取材する過程で、ある出来事が起き、結果として取材を中止することになった。この件に関しては、山内社長から筆者宛にメールをもらっている。「TOKYO CITY F.C.を知っていますか?(2)」でその真相を記したいと思う。また山内社長にインタビューをした記事が「サッカー批評Web」に掲載される予定だ。本サイトで記される内容を踏まえ、「サッカー批評Web」での記事を読んでもらいたい。

 

川本梅花

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