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【インタビュー】 #奥山泰裕「ずっと前から #ラインメール青森 が自分の最後の場所になるんだと」【無料記事】#reinmeeraomori

奥山泰裕「ずっと前からラインメール青森が自分の最後の場所になるんだ、と」

昨季限りで現役を引退、ラインメール青森FCのアカデミーコーチに就任した奥山泰裕に、引退とこれからについて話を聞いた。

おくやま・まさひろ/1985年11月21日生まれ。宮城県出身。ラインメール青森FC普及部スタッフ。東北学院大学→ジェフユナイテッド市原・千葉→ジェフリザーブズ→ガイナーレ鳥取→ラインメール青森FC。2019シーズン限りで引退。


――引退を決断したのはいつなの?

奥山 僕は34歳ですから。自分がいるカテゴリーを見てもJFLで、しっかりとしたサラリーをもらってプレーするにはここが潮時なんじゃないかと。別のクラブを探すにしても、自分1人なら気長に探す選択もあったかもしれません。でも家族がいますから。年が明けて1、2月まで悠長に待っていられない。それに、ずっと前からラインメール青森が自分の最後の場所になるんだと。そういう気持ちでサッカーをしていました。契約満了と告げられた時に、気持ちの中で「これで7、8割は引退だな」と思いました。

――引退すると奥さんに伝えた時の反応は?

奥山 奥さんの方が「えー、そうなの?!」と、ちょっと信じられないような感じでした。僕は毎年毎年こういう世界にいて、それは、いつクビになるか分からない世界であって、どんなことを言われてもいいように気持ちの準備はしていました。「それが当たり前だな」という感じだったのですが、奥さんは違ったみたいですね。昨季はリーグ後半戦から試合に出ていたので、「契約満了にはならないんじゃないの?」という感じでした。

――ラインメールからアカデミーのコーチの打診をされて、奥さんには相談したの?

奥山「好きに決断していいよ、あなたが決めて。私たちはどこでもついていく準備はできてるから」と言われました。

――ラインメール以外からの打診はあった?

奥山 ある大学のコーチを引き受けてくれないかという話がありました。誘われたんですが、僕は今の段階でC級ライセンスしか持っていない。今後B級ライセンスを取りたいので、そのための時間が取れるのかどうかが、まずポイントでした。それから、契約年数は何年間になるのかとか。いろいろ考慮した結果、ラインメールを選びました。

――引退した選手が最初に与えられるポジションはアカデミーとなるケースが多い。「アカデミーを見てくれないか」と言われてどうだったの?

奥山 自分の希望は、ゆくゆくはスカウトとか強化とか。強化部長に伝えていました。「アカデミーは人が足りないから手伝ってくれ」と言われて、「まずここから」と考えて引き受けました。それに、クラブに関することは全てにおいて、プレーヤー以外は素人同然なので。そこは「最初から強化をやらせてください」というわけがなくて。最初はアカデミーからやらせてもらって、クラブを一歩引いて見てみて、全体のことを少しずつ勉強できればいいと思っています。

――ラインメールのトップチームに関して、新しい選手がたくさん補強されたね。チームも変わる部分がある。どういうところを強化すればいいと思う?

奥山 そうですね……規律。規律がまずないと難しいのかな。

――規律とは、試合での約束事のこと?

奥山 試合での約束事もそうですが、練習でももう少し規律がないと。若い選手も多いですしね。彼らが、自分のやりたいことをやって勝てるんだったら「どうぞやってください」なんですが。現実はそうではない。この2年間で分かったと思います。最低限、守備だけでも約束事は必要だと思います。根本的なことを言えば、もっと練習から厳しさが見えてこないと、今季も厳しい戦いになってしまうのではと心配しています。

――今季加入した選手で期待しているのは?

奥山 FC今治から加入してきた太田康介選手ですね。彼を知っている選手は「統率力がある」と言っているので、ピッチ上の監督ではないですか、太田選手が中心になってチーム全体に声掛けができれば、ラインメールに足りなかった部分、つまり、みんなが同じ方向を向くことができれば、かなり底上げになって戦力アップに繋がります。

――攻撃面に関しては、どの選手が注目?

奥山 湘南ベルマーレから期限付き移籍している和田響稀という選手がいます。昨季の後期からかなり成長し、好不調の波もなくなってきた若手です。後期は試合にほとんで出ていて得点も奪っています。

――ラインメールのアカデミーの体制はどうなっているの?

奥山 僕を含めてアカデミー担当者は4人いるんです。僕が監督をやるのはU-8です。対象が小学1、2年生なんです。ただ、練習が週に1、2回しかないので、空いている日は、小学生の高学年や中学生のクラスも指導に行きます。キッズから中学生までですね。青森の少年サッカーは、フットサルで全国大会に出たと聞きました。11人制では全国大会に出たことがないんだと思います。

――引退するのは寂しいけど、次は指導者として話を聞かせてね。いろいろと取材を受けてくれてありがとう。

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