川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】ポストプレーヤーは約4秒ほどボールをキープしないとなりません【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

ポストプレーヤーは約4秒ほどボールをキープしないとなりません

「ポストプレーヤー」という用語があります。「ポストプレーヤー」の「ポスト(post)」の語源は、ラテン語の「ポスティス(postis)」からもたらされています。「ポスティス(postis)」の意味は「固定されたもの」となります。「固定されたもの」から派生して、現代では「ポスト」を「郵便箱」「柱」「地位」の意味で用いています。したがって、「ポストプレーヤー」は、どれほど相手に激しくプレッシャーをかけられても、けっして動いてはならないプレーヤーでなければなりません。

ポストプレーヤーは、相手のディフェンダー(DF)の激しい当たりに負けないでボールをキープできる身体の強さを持っていないとなりません。そんなポストプレーヤーの最大の仕事は、前線で起点になることです。ボールをキープできれば、味方の選手が前線に押し上げてこられる時間を担保できます。前線にいるポストプレーヤーと2列目以降にいるミッドフィルダー(MF)の距離が20メートル以上離れていたとします。そうすると、MFの選手が押し上げてポストプレーヤーの近くまで行くのに3秒から4秒はかかります。したがって、最大で4秒は我慢してボールをキープできないとなりません。

ポストプレーヤーが、3秒から4秒ボールをキープできれば攻撃の手数が増えていくことになります。MFの選手がポストプレーヤーを追い越して、相手のDFラインの裏に抜けられます。また、SHの選手がオーバーラップしてクロスをバイタルエリア内に送れます。さらに、近くにやって寄ってきた味方のMFにボールを落として、ポストプレーヤーが反転して自らDFラインの裏に抜けることも可能になります。

守備においても、味方が自陣に押し込まれてしまって、相手からボールを奪ってもスムーズにビルドアップに移行できない場合があります。そのような時に、奪ったボールをポストプレーヤー目掛けてロングボールを蹴ってキープしてもらう。そうすると、味方のDFラインも押し上げることができるのです。

いずれにして、ポストプレーヤーは、4秒間はボールをキープできなとならないのです。

川本梅花

 

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