川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】守備ブロックとはなんですか?【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

守備ブロックとはなんですか?

4人のディフェンダー(DF)と4人のミッドフィルダー(MF)と2人のフォワード(FW)から作られるフォーメーションで多くのチームが採用する「4-4-2」は、中盤のMFの配置によってシステムが違ってきます。以下の図のシステムは、中盤がボックス型を形成した「4-4-2」のシステムです。このシステムがスタンダードになったのには、「守備組織が安定しやすい」という特徴があるからです。

このコラムのタイトルにある「守備ブロック」とは、DFとMFで作る四角形のことです。図の白い枠に当たるエリアを指します。主に、CB2人とセンターハーフ(CH)2人で構築されます。システムの組み合わせがディフェンスラインと中盤がボックス型の場合、あるいはディフェンスラインと中盤がフラット型の場合は、最初の配置から守備ブロックができているのです。だから、「守備組織が安定しやすい」と言われるのです。

アナウンサーが「ブロックを作って守ります」とか「守備ブロックを破りたいところです」などと話す時、守備側の選手が組織的に守っている様子を伝えています。味方の選手たちが近い距離を保って守ることで、相手の攻撃を跳ね返す壁になるのです。ブロックの目的は、失点しやすいゴール中央のスペースを埋めるために、相手の選手の進行を阻むことです。ここで注目してほしいことは、ブロックを作る時の味方同士の縦と横の距離感です。

ゴールに直結する場所が、バイタルエリアになります。なぜならば、このエリアに侵入されてボールを持って前を向かれたのなら、DFとGKの裏のスペースにボールを出される危険性が増えます。また、ミドルシュートを狙える絶好の場所なのです。守備側がバイタルエリアを空けないために、DFとMFの間は約5メートルくらいが理想とされます。横の距離ですが、選手同士が均等に距離感を持って保てることが望ましいのです。

アナウンサーが「ブロックを作って守ります」とか「守備ブロックを破りたいところです」などと話す時、バイタルエリアに相手を侵入させないために作っているブロックのことだと認識して、守備側の選手の縦と横の距離間を確かめて見てみましょう。

川本梅花

 

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