川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】#大石篤人 監督「こういう鋭い質問をどんどんください」【無料記事】J3第4節 #ザスパクサツ群馬 0〇1 #ヴァンラーレ八戸(@vanraure)

大石篤人監督(ヴァンラーレ八戸)「今年の12月まで選手全員で戦う」

2019明治安田生命J3リーグ第4節
ザスパクサツ群馬 0〇1 ヴァンラーレ八戸
https://www.jleague.jp/match/j3/2019/033018/live/

「アウェイ行くと誰も質問をしないんですよね」「こういう鋭い質問をどんどんください」とは、ヴァンラーレ八戸・大石篤人監督の談。筆者は前節・Y.S.C.C.横浜戦[3●4]における、八戸の“守備の破綻”を当サイトで指摘した。ザスパクサツ群馬戦後の記者会見では、大石監督の言葉に甘えさせていただき、そのことを含めた話を聞いた。

【試合分析】ショッキングな失点シーン…分析以前の問題とは【無料記事】J3第3節 #ヴァンラーレ八戸 3●4 Y.S.C.C.横浜 #vanraure #yscc

臨場感を優先させるため、発言の修正は最低限にしている。そのため、やや意味が分かりにくい箇所もあると思うが、ご理解いただきたい。

大石篤人監督(以下、大石)前節、大変ふがいない形で敗戦を喫してしまったので、選手たちにはチャレンジすることを要求しました。しっかりと遂行して、みんなでやってトライしていこうと。ただやっぱり、クサツさん(ザスパクサツ群馬)の圧力というか、パワーを受けてしまいました。その中でちゃんと(失点)ゼロで終わってくれた。彼らなりのプランをしっかりとできた。そのことが今日の勝ちに繋(つな)がったと思います。

後半は、もっとスペースが空いてくる。自信を持ってプレーしたことによって、ゴールに迫るプレーが何シーンかあったと思います。特に、両サイドで起点を作れたことは大きかった。90分を通して八戸らしいサッカーができた。選手たちもそう思っているはずです。勝てたことは良かったと思います。ただし、まだまだ成長するための試合であったなと感じています。

筆者 前節からDFが2人変わりました。それは破綻した守備の改善ということですか。

大石(苦笑)痛いところを突きますね。破綻したわけではないです。今年の12月まで、選手全員で戦うということでチームを作っています。

センターバック(CB)の右と左の2人(中谷喜代志・須藤貴郁)を変えました。それと、プレシーズンからずっと調子のいい貫名(航世)をボランチで使いました。彼の特徴というものがあったので、本来のプレーよりも足りなかった部分はありますが、彼自身、今回、何かをつかんでくれたと感じています。

全ての選手が大事なので、チャンスはみんなにある。そういうことで、今回の選手起用になりました。破綻したというわけではないですが、やりたい形のために、今回は、左右のCBに彼ら2人(穂積諒と佐藤和樹)を選んだということです。

筆者 さらに守備に関してですが、プレスが激しく相手への寄せも早かったのは、ご指導されたのですか?

大石 仕事はそういう役割なので、ご指導はしています(笑)

筆者 きつく怒ったりはしなかったんですか?

大石 怒らないですね。基本的には彼らとともに成長しているので。彼ら自身がこの前の敗戦を大きく受け止めて、正直勝点を落とした部分があります。そうしたことを選手が身に染みて感じている。JFLからJ3に上げた前監督の葛野(昌宏)さんから僕に変わって、変わったという意味を理解してほしくて、何が必要で何が足りないのかを彼らに投げ掛けています。その問い掛けに彼らが答えてくれたといことです。

前回のYS横浜戦で試合に出ていて今回ベンチにいた選手も、試合に勝って自分のことのように喜んでいた。そういうチーム作りをJリーグに上がるまでやってくれていた。だから僕は、いま、このチームを構築する手助けができているのだと思います。

筆者 味方GKのファインセーブはあったのですが、シュートもきちんとした体勢からは打たせていなかったし、相当に厳しく寄せていたので、かなり選手に怒ったのかと思ったんですが。

大石 僕は厳しいと思われるのですが全然厳しくはないので、選手は僕のことをただの兄(あん)ちゃんだと思っています。帰りの8時間のバスの中でどうするかと笑って話していたくらいです。次の試合のために、みんなでしっかり成長していきたいです。

筆者 最後に、八戸らしいサッカーって、大石さんはどのように考えているのですか?

大石 八戸というチームというか、青森県人はひたむきで実直で、1つの仕事に対して前向きにトライしていく。就任する時にそういう話を聞きました。試合を見た時、失点が少なく、相手にやられても体を投げ出してクリアするようなひたむきなプレーをする。そこを残しつつ、僕が入って攻撃を作り上げていく。おっしゃる通り、前線からの守備に関して、すごく詰めていることもありますが、今年の12月まで、常にそういう問い掛けを選手にしながら、自分も問答をしながら、次の道に進んでいくような感じです。

大石 次に、こういう鋭い質問をどんどんください。

記者 先ほどバスで8時間と言ってましたが、行きも帰りもバスですか?

大石 はい、そうです。

記者 どのエリアまでバスを利用されているんですか?

大石 関東近辺はバスですね。

記者 大変ですね。

大石 大変ですよ。藤枝の時(2015-2018シーズン、藤枝MYFCで監督を務めている)は、僕、ここで話をしましたけど、前橋育英(高校)でコーチをやっていた時は、8時間、9時間バスを運転して、淡路島に行ったりとかしました。さすがにいまは、彼らはプロ選手なのですが、その中で彼らは多くのことを学び、そういう環境で自分の体作りをする。誰1人ほんと、文句を言わずやってくれているので、僕は助かっています。昨季やその前からヴァンラーレ八戸を作ってくれている人たちの功績だと思います。そうしたことから、なんてやりやすいチームなんだろうと思って、1月からやっています。

8時間とかじゃなくて、もっとサッカーのことを聞いてもらっていいですか。アウェイに行くと誰も質問をしないんですよね。お願いします、ぜひ。

筆者 じゃあ、質問していいですか?

大石 はい、どうそ。

筆者 3バックだとウイングバックの裏を攻められて、今日もガンガン抜けられていましたが、対策は考えているんですか?

大石 まあ、サイドの勝負だろうと思っていました。サイドの22番の飯野(七聖/群馬MF)くんは縦へのスピードは速いですし、去年、藤枝で一緒にやっているのでミツ(光永祐也/群馬MF)の特徴は分かっています。小牧(成亘/八戸MF)との勝負かなと思っていました。ミツはいいボールを上げるし、飯野くんは縦への推進力がありますから、それに負けないくらいうちの三田(尚希)と小牧は勝負ができたと思うので、サイドで“がっぷりよつ”でどちらが優勢を取るかがこの試合のポイントになると思っていました。背後を取られても、スペースのカバーをしていたので、特に問題はなかったと思います。

筆者 個人的な質問ですが、秋吉(泰佑)くんはボランチで使ったのですか?

大石 アキはゲーム状況で最後の5分で入れたのですが、群馬が最後に中村(駿太)くんを入れてきて「4-4-2」になったので、少し変えようということで、相手のサイドに対して少しプレッシャーを変えるということで、プレシーズンもこういう形を何度も経験しています。選手たちはなんの問題もなく、最後やられそうなシーンがありましたけど、八戸らしくキワで凌(しの)いだかなと思います。

筆者 秋吉くんを頭から使うとは考えていないですか?

大石 今日もそうですが、上形(洋介)も三田も谷尾(昂也)も全ての選手が点を取っています。彼が出場時間は短いですが、トレーニングも全力でやってくれていますので、チャンスは誰でもあると思います。

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