川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】#宮本拓弥(#水戸ホーリーホック)「僕は僕自身を諦めません」【無料記事】彼は何から「打破」しようとしたのか

【インタビュー】宮本拓弥 「僕は僕自身を諦めません」

水戸ホーリーホックの背番号15、宮本拓弥選手に話を聞いた。宮本選手は、柏レイソルU-12→柏レイソルU-15→ウイングスS.S.習志野→流通経済大柏高校→早稲田大学というキャリアから、プロになった選手だ。そんな彼が今季、悩みに悩んでいた。2018年、宮本選手のサッカーに関する目標は「打破」だった。彼は何に対して「打破」しようとしたのか。その答えが、ここにはある。ぜひ彼の言葉に耳を傾けてほしい。

――今季は24試合に出場して1得点。難しい1年だったし、厳しい1年だったね。

宮本 はい、そうですね。FWだったのですが、ポジションを変えてセンターバック(CB)になりましたからね。

――ポジションの変更に関して、監督の意見はどうだったの?

宮本 僕から「やらせてほしい」と監督に言いました。監督もCBができることは知っていて、ただ僕から言わなければ、ずっとFWだったと思います。CBでやりたいという僕の意思を、監督も理解してくれました。寛容に対応してもらって、挑戦している感じですね。

――西村強化部長は宮本くんの意思に対して何か言った?

宮本 理解してくれました。去年もそうなんですが、ケガ人が出てCBのメンバーが足りない時に、練習でCBをやっていたので。

――宮本くんの印象は、遠目からのシュートなんだよね。とにかくシュート力がすごくある印象なんだ。実際に、練習なり試合前のアップでのシュート力はすごいから。もったいないな。ところで、最初はCBから始まったの?

宮本 もともとはCBをやっていました。そういう時期があって、後ろのポジションから前に来たのです。全く新たに、ということではなく、もともとできて、やっていたポジションだった。自分の中で「そのポジションをなくしたくない」という思いがありました。だから、ちょうどいい機会だと思って。

――「宮本選手はどうしたんだ」とサポーターも心配していると思うよ。

宮本 ポジションが変わりましたけど、監督にも少しずつですが評価はしてもらっています。

――ポジションを変えるって大変な決意だよね。以前にやっていたから、という理由だけではないでしょう。宮本くんの中で、何が起こったのか教えてくれる?なぜ、ポジションを変えようと思ったの?

宮本 もともとやっていたCBを、どこかの機会でやりたいという気持ちがあったのは、本当のことです。それに、FWでなかなか結果が出せませんでしたから、何かを変えないといけないと思っていました。それならいっそのことポジションを変えようかと。周りから見たら、結果が出ないからポジションを変えるのかという意見があると思います。

僕の責任で負けてしまったと思う試合がいくつかありました。そうしたことを踏まえての結論です。現実からの逃げではないですが、いや「逃げた」と思われても仕方がないんですが。ただ「どうやったら俺はチームに貢献できるんだろう」とずっと考えてきての結論です。ポジションを変えて、後ろでもできることを証明したかった。

――来シーズンもCBって考えていいの?

宮本 そうですね。強化部長の判断と言うか、話し合いですね。僕の挑戦に理解してもらっているので、純粋にやらせてもらっています。ただ、FWを捨てた訳ではないので。

――んーん、難しいね。CBをやってもFWを捨ていない。現実的に、それが宮本くんがいまある迷いそのものなんだろうね。

宮本「自分を変えたい」の一言なんです。もちろんFWで自分が変わるのが一番かもしれませんが、ポジションを変えるってすごい大変なことで、最も自分を変えられる出来事なんじゃないかと思ったのです。なんて言うか、新たに、新鮮な、感じで挑みたかった。

――FWをやっていた時に、守備に関してチームから「こうやってほしい」と要求されることがあると思うんだけど、周りから見ていて「なんでもっとガンガンとプレスに行かないんだ」と見えてしまうことがあった。それはどう思う?

宮本 もちろん僕自身の意思もありますけど、行かない時は「行かなくていいよ」と監督の指示があって行かないのです。見ている方は「もっと行った方がいいんじゃないの」と思うかもしれません。それはチームの約束事として決まっていることだから。そこは理解してほしい。

――では、ファンにメッセージを。

宮本 試合には出られていなかったんですが、必ずピッチに戻ってきます。僕は僕自身を諦めません。どうかみなさんも、僕を諦めずに、応援してほしいです。お願いします。

川本梅花

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