【蔵出し取材メモ】#伊藤涼太郎「なぜ試合に出られなかったかを知った」【#水戸ホーリーホック のハッピーソング】J2第32節 #FC町田ゼルビア 戦後のコメントより
伊藤涼太郎「なぜ試合に出られなかったかを知った」
スタジアムに取材で訪れた記者は試合終了後、監督や選手たちから話を聞くことになる。その内容は主に、先ほどまで行われた試合に関する説明や分析、感想、あるいは次の試合に向けた意気込みとなる。こうしたコメントの多くは、いわゆる“賞味期限”が短い。タグマ!の分析によれば、試合終了から48時間が目安となるようだ。
しかし「川本梅花フットボールタクティクス」では試合後に十分な時間が取れず、コメントを公開できないまま、48時間を経過することがしばしばある。旬を逃したコメントを掲載することに抵抗があるため、何らかのタイミングで紹介できるように準備をするのだが、多くの場合は空振りとなる。
そうすると、せっかく監督や選手たちから聞いた言葉がふいとなるため、方向を展開。旬を逃したと自覚しつつも掲載することにした。ここに掲載する記事は“直近のコメント”ではないことをご承知いただきたい。
■取材メモ:伊藤涼太郎コメント
伊藤涼太郎選手については、明治安田生命J2リーグ第32節・FC町田ゼルビア戦の後に行われた、J2第35節・大分トリニータ戦後のコメントを掲載している。
【インタビュー】#伊藤涼太郎「ボールを奪いに行くスイッチが迷ったままだった」【無料記事】J2第35節 #大分トリニータ 戦後のコメント
伊藤涼選手は浦和レッズより、2017シーズン途中に期限付き移籍で加入。2018シーズンも期限付き移籍期間を延長し、水戸でプレーすることになった。
http://www.mito-hollyhock.net/news/7954/
伊藤涼選手は2016シーズンから浦和に加入するも、リーグ戦の出場は1試合のみ。昨季水戸でも途中出場6試合にとどまった。しかし、今季はJ2第35節を終えてリーグ戦28試合に出場、9得点を記録している。
https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=19203
■2018年9月9日、J2第32節・FC町田ゼルビア戦[0△0]
http://www.mito-hollyhock.net/games/10979/
――FC町田ゼルビア戦について話を聞きたんだ。スタメンで出ているけど、あの試合、監督からはどんな指示があったの?
伊藤涼 指示というか、いつも通りですね。いつも通りのプレーをするように言われました。町田戦は、難しい展開になるとは思っていました。空中でボールが行き来する展開になると予想はしていましたから。数少ないチャンスを決めないとうちは勝てない、というチーム全体の意図は守っていて伝わりました。
――ジェフェルソンバイアーノ選手がトップに張って、下がり気味のポジションで伊藤涼くんがプレーするというやり方だよね。
伊藤涼 バイアーノがターゲットマン。ポストプレーで落としてくれるか、あるいはヘディングで飛ばしてくれて僕が走るか、というスタイルを考えていたんですが、思ったよりもボールが僕に来ずに、ですね。
――ストレスがたまる試合だったね。
伊藤涼 そうですね、そういう展開になりましたね。
――ロングボールが多かったよね。あれは相手に合わせてしまったの?
伊藤涼 いや、前回(J2第7節[0●1])ですね、相手に合わせて負けてしまったので、今回は合わせずに自分たちのサッカーをやろうと思っていたのです。ですが、相手も思ったよりも前から来ていました。まあ、首位争いをするチームですしね。そうしたことで、やっぱり難しい展開になった。結果的に、相手に合わせるような戦いになってしまった。そこはチームとしての課題だと思います。
――プレーしていて相手はプレスが早いなとか感じた。
伊藤涼 プレッシャーも早いですし、何よりもセカンドボールへの対処も早い。蹴った後のセカンドボールへの対処が大事だったと思います。
――真ん中にいてこぼれ球がきて、シュートが左に外れた場面があったよね。
伊藤涼 もっと落ち着いて蹴れたんじゃないかと思います。僕個人として振り返った時に、焦っちゃったかなと、もう1回運べてトラップできたかなと。それからシュートでも良かった。
――岸本武流選手は「伊藤涼くんはシュートがうまい」と言ってたんだけど。
伊藤涼 いや、焦っちゃったんですよね。
――そうか、伊藤涼くんが焦ったのか。
伊藤涼 ああいうところで決めきれないとダメですね。味方からの信頼は、まだまだ得られないですよ。
――あの時は、相手DFが目に入ったの?
伊藤涼 いや、目に入ったというか……。いいところにボールがこぼれてきたので、ステップ変えてワンタッチでシュートというイメージだったんだけど。振り返った時にトラップして打っても良かったのかなと後悔しています。
――シュートを外した後に、悔しいジェスチャーをしながら「アー!」って叫んでたね。
伊藤涼 チームとしても僕的にも、数少ない中での一番のチャンスだったと思います。サイドの選手がクロスを入れて、バイアーノがヘディングで相手と競ってのボールだった。あれを逃してしまうと「まだまだだな」と。
――右サイドで使われることもあるけど、やっぱり自分の適正ポジションはトップ下になるのかな?
伊藤涼 トップ下の方がやりやすいです。サイドハーフで出たなら、サイドに開いて展開することも必要だし、中に入り込んでプレーすることも必要ですよね。自分自身、やっぱりサイドの守備力がまだまだ課題だと思うんです。そういった点を改善しないといけない。
――ところで、浦和レッズにいた頃と、水戸に来てからでは、伊藤くん自身の中で何か変化があった?
伊藤涼 浦和の時は「なんで試合に出られないんだろう」と日々考えていました。水戸に来て試合に出られるようになって、自分がなぜ試合に出られなかったのかを知りました。
――それはどんなことなの?
伊藤涼 自分の技術が足りなかったのと、サッカーに対する取り組み方が、いまとは全然違ったので……。それが大きな要因だと思います。
――試合に出る機会が増えて、コンディションに関してはどうやっているの?
伊藤涼 週末の試合に向けてのコンディションの維持ですね。試合2日前から負荷を掛けないようにしていく。コンディションの作り方はうまくなったと自分では思います。
――シュートもいろいろ工夫しているね。
伊藤涼 マイナスのパスと自分のポジションがズレていたことがあって、すぐにトレーニングで改善するように意識して練習します。そうしていく中で、トラップする前にGKの位置を見て、落ち着いてシュートを打てますね。
川本梅花