【蔵出し取材メモ】#前寛之「キャリアハイの出場数と成績への責任」【インタビュー】J2第31節 #松本山雅FC 戦後、J2第32節 #FC町田ゼルビア 戦後のコメントより
前寛之「キャリアハイの出場数と成績への責任」
スタジアムに取材で訪れた記者は試合終了後、監督や選手たちから話を聞くことになる。その内容は主に、先ほどまで行われた試合に関する説明や分析、感想、あるいは次の試合に向けた意気込みとなる。こうしたコメントの多くは、いわゆる“賞味期限”が短い。タグマ!の分析によれば、試合終了から48時間が目安となるようだ。
しかし「川本梅花フットボールタクティクス」では試合後に十分な時間が取れず、コメントを公開できないまま、48時間を経過することがしばしばある。旬を逃したコメントを掲載することに抵抗があるため、何らかのタイミングで紹介できるように準備をするのだが、多くの場合は空振りとなる。
そうすると、せっかく監督や選手たちから聞いた言葉がふいとなるため、方向を展開。旬を逃したと自覚しつつも掲載することにした。ここに掲載する記事は“直近のコメント”ではないことをご承知いただきたい。
■取材メモ:前寛之コメント
今季より、北海道コンサドーレ札幌から期限付き移籍で加入した前寛之選手。
http://www.mito-hollyhock.net/news/7889/
負傷の影響により、シーズン当初は出番なしが続いたものの、2018年5月6日に行われた明治安田生命J2リーグ第13節・徳島ヴォルティス戦[0●1]に先発して初出場を果たすと、9月29日に行われたJ2第35節・大分トリニータ戦[1●2]まで、23試合連続で先発出場となっている。
http://www.mito-hollyhock.net/news/8185/
■2018年9月1日、J2第31節・松本山雅FC戦[1△1]
http://www.mito-hollyhock.net/games/10912/
――北海道コンサドーレ札幌から期限付き移籍で加入して半年が経過。水戸ホーリーホックについての感想はある?
前 やってるサッカーは違いますけど、自分自身、水戸に来て試合数はキャリアハイになるんじゃないかな。その中で、真ん中、あるいはそれよりも下の順位にいるというのは、試合に出させてもらっている者として責任があるし……。もっと上に行きたいという気持ちがあります。
https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=11978
――縦パスが代名詞だけど、いつでもどんな状況でも「チャンスがあったら」と意識しているの?
前(その場所が)空いたら狙っています。
――西村卓朗強化部長が、札幌で現役最後のプレーをしていた時、前くんは確か高校生だったよね?
前 高校1年生でしたね。
――強化部長のことは覚えているんだ。
前 はい、覚えています。
――当時、本人と話したことはあったの?
前 ちょうど卓朗さんが、コンサドーレのトライアウトを受ける時に、ユースの練習に参加していたので、一緒にやっていたんです。だから、覚えています。
――札幌から水戸に来たのは、強化部長から声が掛かったの?
前 そうです。卓朗さんとは連絡を取っていましたし、僕も卓朗さんという人がどういう人なのかも分かっていました。どういうサッカーをやりたいのか、とか。よく話し合った中で、水戸に来るという選択をしました。
――大正解だったね。
前 そうですね、充実していると思います。
――実戦経験を積めている。
前 町田戦前から、ここ数試合は自分の出来があまり良くなかったです。
――センターハーフ(ダブルボランチ)でコンビを組んでいる小島幹敏くんとは、うまくやれているね。
前 マサト(小島幹敏)と組んで、どちらかというと、マサトが前で僕が下がり気味でいいバランスが取れると思っています。僕が、ボールを奪える力をもうちょっと付けていければ、と思います。
――そうか、もっとボールを奪う力を付けるか。ところで、長谷部茂利監督からは、いつも何か言われているの?
前 マサトが前でFWに絡んで、僕が下がり気味でバランスを取って、こぼれ球を取る。そこから幅を使ってパス回す方がいい、と言われています。
――残り試合も少なくなってきたけど、チームの1人として、いま考えていることはあるの?
前 町田戦もそうでしたが、順位が上のチームに対して勝てるようになりたいです。せめて引き分けだったら、次につなげられると思うんですが、いまはそれでは足りないと考えます。
――水戸に住んでみて、どう?住み心地はいい街なの?
前 いいですよ、快適に生活してます。
■2018年9月9日、J2第32節・FC町田ゼルビア戦[0△0]
http://www.mito-hollyhock.net/games/10979/
――町田戦を振り返ってほしいんだよね。なんとも言えない試合だったから。
前 あの試合、何が必要かと言われれば、シュート2本だったことです。
――シュートが2本に終わったのは、相手の出足が早くて、セカンドボールを拾われて自分たちの形に持っていけなかったことと関係しているの?
前 もちろん、関係しています。それに、僕らの攻撃も単調な攻撃でしたから。
――うまく行っている時はトライアングルを作り、ボールを動かして相手を崩すけど、町田戦は、ボールと一緒に自分たちも動かされてしまった。
前 相手に合わせたサッカーをやってしまった結果ですね。勢いよく向かって来る相手に、どういうサッカーで対抗するのが効果的か、というのを考えてやっていたんですが、町田戦はそれがうまく行かなかったです。
――なんでうまく行かなかったのか?
前 中盤を越すような展開が長く続いちゃったのと、町田戦に関してはFWにうまくボールが収まらなかったことが大きいと思います。
――ジェフェルソンバイアーノ選手がボールを持ちすぎたように感じた。
前 そこに関しては、もっと強く言わないといけないです。自分自身、ものすごくストレスを感じました。
――味方がフォローに行っているから、もっとシンプルに味方を使ってもいいと思ったけど。
前 実は、僕らも前半が終わってから本人に言いました。彼が、ああいうプレーをする気持ちは分かるんです。もちろんFWなので、エゴイスティックになることは必要だと思いますが、勝つためにどうすればいいか、もっと彼には考えてもらいたい。
――僕が監督だったら、ジェフェルソンバイアーノ選手は前半で交代したと思うけど、ハーフタイム中、本人に言ったんだ。
前 通訳の(松岡)マリオを通して言いました。
――だから後半になって、シンプルに展開するようになったんだ。
前 そうなんです。
――残りの試合、頑張ってね。見ているよ。
前 はい、見ていてください。
川本梅花