川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】アートがフットボールを日常化する【無料記事】フットボールを愛する人に捧げる作品展 JUN(秋山淳)#yfff

【インタビュー】JUN(秋山淳)アートがフットボールを日常化する

ヨコハマ・フットボール映画祭2018が行われる。開催期間は、2月11日(日)から12日(月)までの2日間。

http://2018.yfff.org/

映画を上演するほかにも、いくつかのイベントが行われる。その中で、「FOOTARTIST JUN フットボールを愛する人に捧げる作品展」が開かれる。場所は、横浜市開港記念会館の3号室。

この作品展の主催者は、JUNこと秋山淳さん。会場では、個性的な写真とアクセサリーなどを展示・販売する。映画祭にお越しの方は、ぜひ立ち寄られることをお薦めします。

JUNさんは6月14日から17日まで、鎌倉・カトレアギャラリー2Fにて、2018FIFAワールドカップ ロシアに標準を合わせた個展を開催するそうです。

今回のインタビューでは、どのような動機と考えを持ってアートを始められたのかを伺いました。JUNさんの詳しいプロフィールなどは、彼が過去に取材を受けたページをご覧ください。

《FOOTARTIST JUNの個展を訪問》
フットボールを愛してやまない男の“一人同窓会”
「ボールに人生を教えてもらった」という偽りのない思い
https://www.roots-fc.com/archives/1200

――「ヨコハマ・フットボール映画祭」に、なぜ関わることになったんですか?

JUN 今回で2回目になります。2015年に初めて参加させてもらいました。だから、2年ぶりになりますね。映画祭の主催者である福島成人さんにナンパされたんです(笑)。

――ナンパですか(笑)。どこでナンパされたんですか?

JUN 2015年に初参加させてもらった前の年だったと思うんですが、僕が個人的に、横浜FCのスタジアムで作品を並べて展示をしていたんです。そうしたら、福島さんに声を掛けられました。

――作品を並べていたのは、スタジアムのどこだったんですか?

JUN スタジアムの外ですね。食べ物とか衣類とか、いろんな店が出店していますよね。そこの並びに、自分の作品を置かせてもらったのがキッカケです。

――2015年に映画祭に参加されて、その時の印象はどんな感じでしたか?

JUN 僕自身、フットボール映画祭があること自体知らなかったんです。福島さんに呼んでもらったことで、人は、それぞれサッカーへの愛し方があるんだと、あらためて知りました。僕は、写真とかで愛情を表現しています。福島さんはサッカーが好きで、それを好きな映画とマッチングできないか、というところから、フットボール映画祭ができていると思うんです。サッカーに対する愛し方、表現の仕方っていっぱいあるんだと思いました。来場者もいっぱい来てたので、サッカーの持つ力のすごさも感じました。

――2月11日(日)と12日(月)、横浜市開港記念会館の3号室で展示会をやるんですね。どういう形でやられますか?

JUN 会場が重要文化財なので、名前の通りのたたずまいです。展示する際に、制約がいくつかあります。例えば、壁に絵を掛けたりポスターを貼ったりはできません。留め金や画びょうを打つことができないからです。だから、どのように展示して見せられるのかを検討しています。

――見せ方にも工夫が入りますね。

JUN 見せ方に関しては、いろいろと考えている最中です。

――なぜ、アートでサッカーへの愛情を表現しているのか。それによって何か成し遂げたい事柄があるのか。つまり、アートでJUNさんは何を表現したいのかを教えてください。

JUN サーフカルチャーに例えるとよく分かると思います。海の近くに住んでいて、朝起きてボートを持って海に行く。家にはサーフィンのポスターとか絵だったりとか、そういうものが飾ってあります。日常の生活の中にサーフカルチャーが溶け込んでいます。

一方で、サッカーが好きな人はどうかと考えてみます。家にボールが転がっている環境、玄関にちょっとした絵とかポスターとか写真が飾ってある環境、そういう環境で生活できているのかなと考えてみると、そんなにないと思うんです。

僕がアートで表現して行くことで、日常の中の1コマにサッカーを感じてもらえる、そんなキッカケになれればと考えています。

――なるほど。日常の中に、サッカーのアートがあって、その中で生活している環境ということですね。

JUN 自分のアート活動でそういう人を増やしたいんです。

――JUNさんの写真は、すごく個性的なスタイルですね。

JUN シルエットというのは自分の基本的なスタイルとしてあります。シルエットの写真に芸術を感じてしまう。誰が写っているのか分からない繊細さ。そこには、時代を感じさせないものがあります。

例えば、Jリーグのユニホームですね。2018年のモデルを撮ったとします。普通に写真を撮ったら、10年後には時代の経過を感じさせてしまいます。でも、シルエットを意識した僕の写真は、「これは10年前に撮った写真なんだよ」と誰かに言ったとしても、時代を感じさせないものがあると思うんです。そこに芸術を感じて、僕はそのスタイルで撮っています。

――シルエットは「影」っていうイメージでいいんですか? 色あせないということですね。

JUN 次の年代の人に引き継がれていくもの、という意識を持って僕は撮っています。

――写真は、どこかで勉強したんですか?

実は、誰かから習ったとかはなくて、写真学校にも行っていません。独学です。

――写真家は、フォトと一緒に文章を寄せたりしますよね。

JUN 毎年カレンダーを作っているのですが、そこに詩を少しだけ書いています。

――写真を撮るキッカケは、なんだったんですか?

JUN サーフィンフォトグラファーの方の写真展を見に行ったことです。その時に、すごく感動して。写真で人を感動させることができるんだと知ったんです。写真を始めたキッカケは、それですね。

――目標にしている人は、その写真家の方ですか?

JUN はい、そうです。サーフィンフォトグラファーのU-SKE(ユースケ)くんです。(http://u-ske.jp)

――U-SKEさんの展示会に行って感化させられて写真を撮るようになった。そこから、ブラジルやタイなど、海外に行って写真を撮ったり展示会を開いたりしていますね。

JUN 2011年にフットアーティスト ジュン(https://www.footart-jun.com/)を始めさせてもらって。やり始めた頃は、当然、誰も見てくれないわけです。自分のやっていることに、何の反応もない。そこで、自分自身がもっと面白いと思えることをやらないとダメだなと思ったんです。2012年の元旦に「僕はこの作品を売り歩いてブラジルに行く」という宣言をブログで書いて、いろんな人の目に留まって、協力をしてもらったんです。それで、2013年の冬にブラジルに行くことになった。タイで個展を開くともできました。いろんな人のおかげです。

今回の会場は、最初に言いましたけど、画びょうを使うとか、上から吊ることもできない。そこをどうやって表現するするのか。それと、手作りでアクセサリーを作っています。アンクレットやネックレスです。お客さんの要望に合わせて、目の前で作るので、お客さまには喜んでもらってます。

――この展示会の後に、個展をやられるんですね。

JUN はい。6月14、15、16、17日に鎌倉・カトレアギャラリー2Fで個展をやります。ロシアW杯に照準を合わせての会なので、そちらもよろしくお願いします。

――お話を聞かせてもらって、ありがとうございます。映画祭に行かれる方は、ぜひJUNさんの個展にも足を運んでください。

川本梅花

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