川本梅花 フットボールタクティクス

【無料記事】ラインメール青森v.s.八戸・奈良、激戦必至のJFL【コラム】ラインメール青森の第1節が決定

ラインメール青森の第1節が決定

JFLの開幕試合が発表になった。ラインメール青森(以下青森)の第1節の対戦相手は、MIOびわこ滋賀に決まった。日時は、3月11日(日)13:00キックオフ。第2節は、3月18日(日)13:00、ホンダロックSCが相手となる。開幕戦も2節目も、共にアウェイの戦いとなる。この2戦をどのように戦い抜いてホームに帰還できるのかが、今季の青森のチーム力を測るひとつの目安となる。

雪の影響で、満足な練習が積めない東北のチームは、スタートダッシュに乗れない傾向がある。キャンプで暖かい地方に行くだろうから、そこでの調整具合が大事になる。

東北のチームが置かれた環境の厳しさを、どのように克服して春の季節を待つのかも、新しく指揮をとる望月達也監督の腕の見せ所ではある。

今季の青森は、大幅な選手の入れ替えがあった。主力のほとんどが移籍する。フォワード(FW)の横野純貴、ミッドフィルダー(MF)の村瀬勇太、ディフェンダー(DF)の近石哲平の3選手は奈良クラブへ。中村太一と秋吉泰佑の2人のFW、MF酒井大登はヴァンラーレ八戸へ。この6名は、レギュラーで試合に出ていた選手たちである。

さらに、監督の葛野昌宏とコーチの東純一郎は、共にヴァンラーレ八戸を次の仕事の場所とした。河端和哉の引退も含めると、主力選手が7人もチームからいなくなってしまった。

私は、何度も述べてきたことだが、東北社会人リーグからJFLに昇格して、2年目でリーグ総合2位になれたのは、監督だった葛野の能力の賜物なのである。葛野が指揮をしていなかったら、こうした夢のような展開はなっただろう。資金面で青森よりも有利なVONS市原は、今季もJFLに昇格できなかった。

同じ年に昇格したブリオベッカ浦安は、昨年、再び地域リーグで戦わなければならなくなった。そうした他チームと比較しても、青森の躍進は目覚しいものがある。

選手の補強からマネージメントすべてにおいて、葛野の功績は計り知れない。功労者の葛野が、今度は敵となって青森に対峙することになる。勝負の世界では、あり得ることなのだが、青森にとっては厳しい対戦相手になってしまった。

移籍する選手が出るのは仕方がないことだ。Jリーグに昇格できるライセンスを得られていない現状では、選手が次のステージを考えてより可能性のあるクラブを選ぶのは当たり前のことである。

青森のフロントが考えなければならないことは、選手との契約に関してである。選手とは単年契約しか結ばないので、移籍する選手が「ゼロ円」で出て行ってしまう。昨年移籍した選手は、移籍金なしで移っている。

経営面も考慮して、可能性がある若い選手は、複数年契約を結んで、移籍の際はきちんとお金を得るような手段をとるべきであろう。

ともかく、今季は、青森対八戸、青森対奈良、八戸対奈良の対戦は見ものである。

今季は、昨シーズンよりも、JFLの試合を観戦するために、スタジアムに足を運ぶ回数が増えそうだ。

川本梅花

 

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ