川本梅花 フットボールタクティクス

【無料記事】清武弘嗣は、なぜ、セビージャで試合に使われないのか?【コラム】

清武弘嗣は、なぜ、セビージャで試合に使われないのか?

Twitter(ツイッター)を見ていたら、こんな文章が流れてきた。

これは、本サイトでサッカー解説をしてくれているスペイン在住の堀江哲弘(@tetsuhorie)による投稿だ。セビージャFCで出場機会に恵まれない清武弘嗣に対する「言語部分だけを問題にしてるのは~」という指摘は、海外サッカー月刊誌『Footballista(フットボリスタ)』(ソル・メディア)の前編集長・木村浩嗣のコラム「清武、転落の原因は「言葉の壁」以外ない」を前提としている。

木村は、2016年11月16日にWebで公開されたコラムにて、以下のように記している。

サッカーは世界共通の言葉であり日本人選手がリーガで活躍できないのは、その共通の言葉が下手なせいで、スペイン語が下手なせいではない――これが私の主張だった。「サッカーは世界共通の言葉だから大丈夫」と7月の清武の入団発表でセビージャのスポーツディレクター、モンチも言っていた。だが、あれから4カ月、清武が監督の信頼を失うプロセスを見ていると、言葉の壁以外の理由が見当たらない。

このコラムは、もともと『フットボリスタ』第39号に掲載された木村の連載コラム「サッカーを笑え NO.133」で書かれたものだが、コラムが公開された時よりも、清武の置かれた立場はより厳しくなっている。

実際に、2016年8月20日に行われた開幕戦・RCDエスパニョール戦の活躍以来、清武は目立ったプレーを見せられていない。それどころか、先発、ベンチ、招集外へと立場が悪化している。彼が試合に出場できない理由の1つに、スペイン語を話せるのか話せないのか、という言語習得レベルの問題があることは確かだろう。

以前、僕が『サッカー批評』(双葉社)で連載していた田中順也(現ヴィッセル神戸)も、ポルトガル語の習得で苦労をしていたことがある。スポルティングCP在籍の当時の監督が、ポルトガル語についてどれだけ理解できているかを、試合に使うか使わないかの1つの判断材料にしていたと、田中は話していた。

だが、おそらく、清武も田中も試合に使われなかった理由は、言語の問題だけではない。そのことを、堀江と電話で話していた際に、彼はこのように指摘してきた。

「清武は、ビジャレアル戦(第2節、2016年8月28日)でもそうだったんですが、やってはいけないプレーをしたんです」と話し出す。

「それは、(開幕戦の)エスパニュール戦でもやったプレーのこと?」

と、僕は尋ねる。

「そうです」

堀江が答えた「そうです」というプレーは一体どんなものだったのか? それを解き明かすために、清武が唯一活躍した開幕戦の対エスパニュール戦を分析することにする。その内容は、本サイト内の【決定的な1分間】のコーナーでお伝えします。

川本梅花

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